平成14年8月27日に開催された特定領域研究(A)「東アジア出版文化の研究」研究会、第1回調整班C班主催研究会(本郷学会)において、「長崎異国通詞資料『東京異詞相集解』釈読問題」と題して、中国語で報告をおこなった。本研究会の趣旨に沿って、長崎県立図書館と長崎大学図書館に300年前から伝わる、当時の長崎異国通詞の残した文献を紹介して、当時のヴェトナムとの交流のなかで通詞によって主に使用されていた福州語散見されるヴェトナム語の実態を説明した。 東アジア東南海域交渉史上において、中国語の南方方言がどのように使用されていたかが、解明したいテーマである。このための一環として、海南語の調査を従来から進めてきたが、本年度に至ってようやく、『海南島方言基礎語彙集』(東京不二出版及び東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所との共同出版、2002年3月25日)が刊行できた。 本書は、序説(海南島概況、海南島沿革、海南島の言語、調査経過、万寧方言の音韻、音韻特徴、中国東南海域図、海南島の方言分布図、参考文献)と海南島方言同音字表があり、続いて語彙と索引が含まれていて、総頁は320頁。
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