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2001 年度 実績報告書

ギリシア哲学とキリスト教思想の交わる場におけるロゴスの哲学の展開

研究課題

研究課題/領域番号 13301001
研究機関東北大学

研究代表者

清水 哲郎  東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70117711)

研究分担者 花井 一典  北海道大学, 大学院・文学研究科, 助教授 (80228501)
山内 志朗  新潟大学, 人文学部, 教授 (30210321)
岩熊 幸男  福井県立大学, 経済学部, 教授 (10135600)
加藤 守通  東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40214407)
伊藤 博明  埼玉大学, 教養学部, 教授 (70184679)
キーワード初期キリスト教 / 中世哲学 / 言語哲学 / 項辞論理学 / 文法学 / signification / ギリシア哲学 / 神学
研究概要

1. 本研究は、平成12年度までの研究の成果に基づき、より広い視野にたって行われるものであるため、分担者それぞれの研究を進めることを中心にし、研究発表会を一回行い、その他、個別の相互の意見交換、共同の検討会を開催した。
2. 初期キリスト教とギリシア哲学の伝統との交叉については、清水はすでに『パウロの言語哲学』としてその一部を発表しているが、ここから新約聖書に含まれる文書群へと検討範囲を拡げ、ヨハネ福音書およびヘブル人への手紙の思想的位置を吟味した。また、山崎は教父時代と中世にまたがる吟味を「愛」概念を取り上げて行った。
3. ストア派からアウグスティヌスへとつながる論理学の流れを、古代哲学とキリスト教思想の交わりの一側面とみる視点から、樋笠はsignificatio概念について、アウグスティヌスの理解を検討した。これは「ギリシア的なものと出会った初期キリスト教思想形成途上の理論家たちが、どのように言語の問題に気付き、あるいはそれを挺子として思想形成をしたか、そしてそこで起きたことが、その後中世にいたる言語哲学の流れにおいてどのように働いているかを見定める」という本研究の課題に直結するものである。
4. 中世における言語哲学の展開とキリスト教神学の交叉については、岩熊と清水を中心に、12世紀中頃、アベラルドゥス以後のパリの諸学校の論理学研究およびそれがオックスフォードの論理学にどう受け継がれたかについて、歴史的状況を考慮しつつ検討した。ことに神学の教師が論理学の発展に重要な役割を演じていると予測される点に注目した。ことに3との連関で、significareを言葉と事物の間に成り立つものとする線と、言葉と理解(intellectusないしimaginatio)との間に成り立つものとする線との交叉を検討した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 清水哲郎: "アンセルム哲学の系譜に連なるオッカム"東北大学哲学研究会 思索. 34. 1-20 (2001)

  • [文献書誌] IWAKUMA Yukio: "William of Champeaux on Arisotle's Categories"J. Biard & I. Rosier-Catach(ed.), La tradition medievale des Cutegorie d'Aristote, Peeters, Louvain. (印刷中). (2002)

  • [文献書誌] 山崎 裕子: "アンセルムスによるカリタスの理解-アウグスティヌスとの比較考察"文教大学国際学部紀要. 12-2. 51-59 (2002)

  • [文献書誌] 樋笠勝士: "「意味作用」の意味-<significare>とは何か-アウグスティヌス『教師論』研究(3)"神田外語大学紀要. 14(印刷中). (2002)

  • [文献書誌] 樋笠勝士: "「言葉の意味」について-St. Augustinus,『教師論』から『告白』へ"中世哲学研究. 20(印刷中). (2002)

  • [文献書誌] 山内志朗: "普遍論争とグノーシス主義"『グノーシス陰の精神史』岩波書店. 227-238 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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