研究課題/領域番号 |
13301001
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
清水 哲郎 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授 (70117711)
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研究分担者 |
岩熊 幸男 福井県立大学, 学術教養センター, 教授 (10135600)
山内 志朗 新潟大学, 人文学部, 教授 (30210321)
樋笠 勝士 上智大学, 文学部, 教授 (10208738)
伊藤 博明 埼玉大学, 教養学部, 教授 (70184679)
加藤 守通 東北大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40214407)
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キーワード | 中世哲学 / 唯名論 / ロスケリヌス / 記号論 / 12世紀 / ロゴス / 国際研究者交流 / イギリス:フランス:ドイツ |
研究概要 |
1.山崎および清水は6月にシュトゥットゥガルト(ドイツ)で開催された国際研究集会(From Anselm to Abelard)にて研究成果(それぞれ、アンセルムスとアベラールにおける原罪の問題、および言葉と存在者の問題)を発表した。 2.岩熊および清水は7月にケンブリッジで開催された中世論理学に関する国際研究集会で、J.MarenbonおよびC.Mewsと共にセッションを行い、岩熊が、本研究の一環としてパリ等ヨーロッパ各地で中世論理学写本の調査を進めた成果の一つである、ミラノのある写本の素性についてディスカッションをした。すなわち、岩熊ははじめこれをロスケリヌスのものと結論していたが、同セッションに先立つやりとりを通して、この主張を撤回し、アベラールの学派に属するものとし、他の三人はこれに賛同した上で、清水は、思想内容がいかにアベラールのより後の言語観、普遍観と一致しているかを指摘した。 3.最後の年度ということで、数名の外部研究者の協力を得て、中世から近世への移行という問題についての従来の見方を再吟味し、本研究テーマであるロゴスの哲学が移行期においてどのような展開を示しているかを考察した。また、分担研究者神崎は、アリストテレス霊魂論がキリシタン時代に日本に入ってきた事情について、立ち入った研究を行った。ここから当時の東西文化の交流もまたロゴスの哲学の一局面と考えられることが見えてきたように思われる。 4.多岐に亘る研究トピックをまとめることは難しいが、研究組織の共同研究の成果として、いくつかの論文を選び、それらがまだ日本語で書かれたものである場合は、英訳をして、収録論文はすべて英語であるような報告書を作成し、国際発信の道を拓いた(英訳論文は報告書提出の時点では、なお推敲を要するものであるが、1年以内に公式に刊行する予定である)。
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