研究課題
基盤研究(A)
1.中央アフリカ諸国の狩猟採集民についての調査から、以下の知見を得ることができた。(1)早くから定住化し、換金作物の栽培や砂金採取等に生業活動の中心を移しているカメルーン国のバカ人やガボン国のボンゴ人においても、森林の動植物に対する知識や森林の精霊信仰にもとづく儀礼実践によって、周辺の農耕民との差異化をはかっている。(2)バカ人やボンゴ人の社会では、儀礼実践などにおいて成人男子の結束が強化され、周辺農耕民と対等に近い関係を維持して、農耕民との間の軋礫が回避されている。(3)一方で、近年の急激な商業伐採と商業経済の浸透によって農耕民の小都市への流出が著しいコンゴ共和国北東部に居住するアカ人の場合は、農作業労働力として村落に残存する農耕民に徴発されることが以前に比べて増加し、また、アカ人も現金獲得の機会を求めて農耕民集落に滞在することが多くなり、社会的優位を保とうとする農耕民との間で様々な軋礫が生じるようになっている。(4)コンゴ民主共和国やウガンダ国における武力紛争において土地問題が焦点となるにつれて、土地の利用権を明示的にもたない狩猟採集民が難民化したり、虐殺の対象になっていることが明らかとなった。2.ウガンダ国の言語学的調査から、生業を異にしているサブグループでも言語的アイデンティティを持っている可能性が看守された。3.西アフリカの商業経済と農村社会の関係の調査から、換金作物の栽培の普及を契機として、さらに現金獲得の可能性を農耕民が追求している現況が明らかとなった。
すべて 2007 2005 2004 2003 2002 2001 その他
すべて 雑誌論文 (18件) (うち査読あり 7件) 学会発表 (12件) 図書 (21件) 備考 (1件)
アジア・アフリカ地域研究 第6・2号
ページ: 489-506
アフリカ文学研究会報MWENGE No.32
ページ: 17-20
環境会議 2004春号
ページ: 252-255
社会科学研究 第55巻第5・6合併号
ページ: 101-129
アフリカにおける「人間の安全保障」の射程
ページ: 63-93
Interim Research Report 2004 for Cameroon Ministry of Scientific and Technical Research : A Comparative Study on the Traditional Use of Tropical Rainforest
ページ: 26-30
アジア経済 第44巻第5-6号
ページ: 252-275
9^tn International Conference on Hunting and Gathering Societies, Lodestar Event Technologies, Neston (CD-ROM)
月刊言語 31巻4号
ページ: 38-43
Conference Handbook on Endangered Langu ages
ページ: 105-113
アフリカレポート 34号
ページ: 17-21
アジ研ワールドトレンド 82号
ページ: 2-3
手話コミュニケーション研究 46号
ページ: 26-32
手話コミュニケーション研究 47号
ページ: 14-19
アフリカ伝統王国研究 2
ページ: 25-37
音声研究
ページ: 37-45
アフリカの政治経済変動と農村社会
ページ: 15-60
エコ・ソフィア 7号
ページ: 74-75
http://www.ktak.jp/kaken.html