研究課題/領域番号 |
13410015
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
小林 康夫 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60153623)
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研究分担者 |
高橋 哲哉 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60171500)
松浦 寿輝 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50157244)
杉橋 陽一 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (50015278)
中島 隆博 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (20237267)
田中 純 東京大学, 大学院・情報学環, 助教授 (10251331)
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キーワード | ヴァーチャル・リアリティー / 潜在性 / 現実性 / 眼差し / 記憶 / ゲーム / 象徴 / 身体 |
研究概要 |
本年度は、初年度の成果を踏まえながら、ヴァーチャル・リアリティーという観点から具体的な作品や事例の分析を行なった。 1.歴史的な記憶のメカニズム、及び記憶の現実性と潜在性という機能相互の関係の究明(高橋・杉橋・中島):戦争の記憶など、具体的な歴史的・社会的問題を取り上げ、潜在化した記憶が現実化されるメカニズムを精神分析の知見なども参照しつつ分析した。 2.ヴァーチャル・リアリティーに依拠したアートのインタラクティヴな次元に関する、「ゲームの哲学」の観点に基づく解明(松浦・小林・高橋):さまざまなゲームを一種のヴァーチャル・リアリティーを共有することで展開されるプレイヤーの相互作用ととらえ、そのようなゲーム的相互作用を芸術創造の現場で活用している作品を対象に考察した。 3.建築、庭、都市における空間構成の現実性と象徴性の分析(小林・ビュシ=グリュックスマン・田中):建築をはじめとする造形空間は3次元の現実空間であることを越え、さまざまな象徴性の仕掛けによって「ここ」ではない「他所」を連想させている。このような象徴的空間構成をヨーロッパと日本の庭園を中心に分析した。 4.コンピュータによって生成された建築・都市空間表象の分析(田中・石光・松浦):サイバースペースと呼ばれる仮想的な空間経験を、メディア論的身体論の知見を踏まえつつ、思想史的な展望のなかで考察した。 5.舞踏をはじめとする身体芸術におけるヴァーチャル・リアリティーの表現(石光・中島・杉橋):身体の現前が必要とされる舞踏やオペラなどの身体芸術をめぐり、その身体を通じて再現=表象=上演される仮想的な世界の構成要件を、バレー・ダンサーの運動表現やオペラの演出などを中心に分析した。
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