研究課題/領域番号 |
13420015
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
右近 健男 岡山大学, 大学院・法務研究科, 教授 (40078978)
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研究分担者 |
西原 諄 岡山大学, 法学部, 教授 (20045157)
吉岡 伸一 岡山大学, 法学部, 助教授 (50362950)
藤田 寿夫 岡山大学, 大学院・法務研究科, 教授 (40190045)
木村 仁 岡山大学, 大学院・法務研究科, 助教授 (40298980)
赤松 秀岳 岡山大学, 大学院・法務研究科, 教授 (40184098)
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キーワード | 介護サービス契約書 / 介護事故 / 安全配慮義務 / 付随義務 / 解除条項 |
研究概要 |
本年度は、研究総括のためほぼ2ヶ月に1回、計5回の共同研究会を開催し、岡山の社会福祉法人の「施設サービス利用契約書」などを検討したり、介護サービスをめぐる近時の具体的裁判例を検討した。まず、社会福祉法人の介護サービス契約書の分析から、あるべき介護サービス契約書について検討した。特に利用者と事業者の紛争を防止し、利用者の利益を確保するためには、契約当事者が利用したり参考にできるモデル契約書を提示することが重要であるので、給付義務条項、安全配慮義務条項、説明義務条項、守秘義務条項、身体拘束禁止条項、解除条項など介護サービス契約書の具体的条項を検討した。そして、事業者の基本的義務条項として、利用者の自立のため利用者の意思と人格の尊重を定めておくことが重要であり、また、契約の解除原因に付随義務違反を含め、説明義務違反や守秘義務違反があれば解除できるようにしておくなど、「措置」の対象から「契約」の当事者となった利用者の権利者としての地位を確保することを重視すべきことが明らかとなった。また、介護サービスをめぐる具体的裁判例の検討からは、介護事故が多いことがわかり、たとえば要介護4の転倒の危険の大きい95歳の高齢者が転倒して骨折した福岡地裁平成15年8月27日判決などでは、寝起きの際に必要な介添えをして、高齢者の安全を確保する義務が事業者にあると構成すべきことが明らかとなったことが成果である。
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