研究概要 |
本年度では,まず,2方向加力実験を行うために必要となる載荷治具の製作を行い,直交する2方向より逆対称荷重を受ける角形鋼管柱梁接合部パネルの載荷実験を行った。柱は□-300x300x16,梁はH-300x200x9x19,H-450x200x9x19,H-600x200x9x19であり,接合部パネルのアスペクト比をパラメータとしている。比較のため1方向だけに梁が接合された平面架構の場合についても実験を行っている。実験結果により以下のことが明らかとなった。 1)1方向1方向加力の場合,パネルアスペクト比が2程度であっても,曲げによる影響を無視して接合部パネルの全塑性せん断耐力を算定することができる。 2)2方向加力の場合,アスペクト比が大きくなると,曲げの影響によりパネル全塑性せん断耐力は低下する。アスペクト比1,1.5および2に対して,2パネル全塑性せん断耐力は,曲げの影響を無視した計算値のそれぞれ,99%,86%および78%になる。 3)1方向加力に比べて2方向加力では,パネル全塑性せん断耐力は上昇するが,アスペクト比の増大に伴い上昇率(2方向/1方向)は低下する。 次に,接合部パネル近傍における応力状態を調べるために,弾塑性有限要素法を用いた数値解析を行っている。また,次年度の載荷実験に供するために,試験体を製作した。実験変数は,(1)柱軸力比,(2)載荷方向,であり,現在,実験準備を継続中である。
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