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2002 年度 実績報告書

電子濃度制御による水の光完全分解のための新しいTa系複合酸化物触媒の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13450336
研究機関大分大学

研究代表者

石原 達己  大分大学, 工学部, 助教授 (80184555)

研究分担者 井上 高教  大分大学, 工学部, 助教授 (40243969)
キーワード光触媒 / 水の完全分解 / K-Ta系酸化物 / 添加物 / 電子濃度制御
研究概要

水の光完全分解は水素の製造方法としては最も理想的であるが、現在までに有効な触媒がない。そこで、本研究ではドーパントを用いて、酸化物半導体中の電子濃度を制御して、光触媒活性の向上を検討した。2年度目は、KTaO_3系酸化物の活性向上を目的に、添加物として格子中に添加するのではなく、水溶液中への添加物による表面電子濃度の制御を検討した。その結果、添加物としてハロゲンを添加すると光触媒活性の向上に有効であることがわかった。種々のハロゲン系化合物の添加効果を検討したところ、添加物効果はCl>Br>I>Fの順に向上することがわかった。とくに塩素の添加が有効であることがわかった。一方、添加物効果は対カチオンにも依存しており、カチオンとしてK^+を用いたとき、最も良好な添加物効果が得られた。一方、LiClを添加すると活性は大きく低下した。添加物効果は塩素の価数にも強く依存しており、活性は塩素の酸化数が大きくなるほど、向上し、KClO_4の添加が最も有効であることがわかった。H_2およびO_2の生成速度はKClO_4の添加量の増加とともに増加し、1mMになるように添加した折に最も大きな添加物効果が得られることがわかった。KClO_4はpHを調整後、約半分が化学平衡的に分解していたが、光触媒反応前後での変化はほとんどなく、反応への直接の関与は認められなかった。そこで、触媒表面に吸着し、触媒の電子濃度に影響を与えるものと推定される。このKClO_4を添加した系ではH_2およびO_2の生成速度は反応初期より向上し、それぞれ590および290μmol/hとほぼ水の完全分解を達成できた。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] T.Ishihara, N.S.Baik, T.Akibay, H.Nishiguchi, Y.Takita: "Photocatalytic Decomposition of H_2O on K_2Ta_2O_6 and KTaO_3 Prepared by Alkoxide Method"Chemistry of Materials. (印刷中).

  • [文献書誌] 石原達己, 滝田祐作: "光触媒による水からの水素製造技術の最新動向"シーエムシー出版(印刷中).

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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