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2003 年度 実績報告書

魚類免疫系におけるGnRH

研究課題

研究課題/領域番号 13460084
研究機関東京大学

研究代表者

鈴木 譲  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (40107412)

研究分担者 末武 弘章  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 助手 (00334326)
会田 勝美  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授 (50012034)
キーワードGnRH / 白血球 / 魚類 / トラフグ / コイ / 免疫 / 生殖内分泌
研究概要

トラフグにおいては,白血球におけるGnRHの存在が明らかになっている.しかし,免疫系における役割を詳細に検討していくためには,リンパ球の分類が不可欠である.そのために昨年度より,T細胞のCD3,ヘルパーT細胞のCD4,細胞障害性T細胞のCD8βの構造解析を進めてきたが,本年度はそれらに加えて,γδ型T細胞のTCRγ鎖についてもほぼ決定することができた.別途進行中のIgMのH鎖,L鎖,IgDのH鎖,すでに報告されているTCRα鎖を合わせて,単一魚種としては初めて代表的なリンパ球すべてを識別する手法を得たことになる.
免疫制御因子がGnRHを含むさまざまな免疫系因子の遺伝子発現に及ぼす作用を調べるため,末梢血,あるいはリンパ組織から分離したリンパ球画分に,PHA, ConA, Poly I : C, LPS, PMAを加えて培養し,一定時間ごとに取り上げ,遺伝子発現を調べている.これまでにCD3,CD4,CD8,TCRα,IgL, NCCRP, TNFα,IFN, IRF, IL-10,IL-12,IL-18のmRNA発現をRT-PCRで調べた.IFNはPoly I : Cにより発現誘導が起こった.IL-12についてはPoly I : C, ConAにより発現誘導が見られた.現在,定量PCRの導入を進め,GnRHやリセプターの発現について解析を進めているところである.
GnRHは性行動の促進や細胞増殖の調節など,多様な作用を持つ.染色体上でGnRH遺伝子の隣に位置し,細胞増殖調節作用を持つチロシンフォスファターゼ(PTPαとPTPε)に対する作用を調べたところ,GnRHはそれらの遺伝子発現を抑制するという結果が得られた.従って,GnRHがもつ性行動の促進と細胞増殖の調節という2つの作用が,GnRHのPTPα/PTPε抑制作用により引き起こされることが明らかとなった.

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] Saha, Usami, Suzuki: "A double staining flow cytometric assay for the detection of steroid induced apoptotic leucocytes in common carp"Dev.Comp.Immunol.. 27. 351-363 (2003)

  • [文献書誌] Yoshiura, Fujiwara, Suzuki, Nakanishi 他: "Identification and characterization of Fugu orthologues of mammalian interleukin-12 subunits."Immunogenetics. 55. 296-306 (2003)

  • [文献書誌] Saha, Usami, Suzuki: "In vitro effects of steroid hormones on the IgM-secreting cells and IgM-secretion (Cyprinus carpio)"Fish Shellfish Immunol.. (印刷中). (2004)

  • [文献書誌] Okubo, Suetake, Aida 他: "The GnRH system in teleosts"Aquatic Genomics-Step Toward a Greagt Future. 244-262 (2003)

  • [文献書誌] Okubo, Aida: "Gonadotropin-releasing hormone gene products downregulate the expression of genes that encode protein tyrosine phosphatases α and β"Biochem.Biophysical Res.Communications. 312. 531-536 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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