研究分担者 |
平田 昌彦 宮崎大学, 農学部, 助教授 (20156673)
長谷川 信美 宮崎大学, 農学部, 助教授 (50281217)
高木 正博 宮崎大学, 農学部, 助教授 (70315357)
西脇 亜也 宮崎大学, 農学部, 助教授 (60228244)
伊藤 哲 宮崎大学, 農学部, 助教授 (00231150)
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研究概要 |
2002年には林内放牧牛にGPS受信機を装着し、GPS測位記録とを用いて調査牛の行動履歴の解析を行い,同時に1分間隔で調査牛の行動を記録した。調査牛は周囲が開けている高台の休憩場所と低地の水飲み場との間を往復しながらその途中で採食する行動をとった。調査牛の行動は、移動(10%)、採食(40%)、その他(50%)であった。調査牛はススキを最も好んで採食した。また,2003年には放牧期間の途中で水のみ場を移動することにより、行動圏も水のみ場を中心としたものへと変化し,水のみ場の移動が放牧牛の誘導に有効であることが明らかとなった.下草の乾物重量は放牧によって5割〜7割減となり、放牧による下刈り労力軽減効果が大きいことが明らかであった。また牧養力も3年間、高く維持された。しかし、不可食植物の増加による牧養力の維持の問題が生じたため、放牧終了後の掃除刈りが有効と考えられた。年度の進行にしたがって、樹木(特に常緑樹)が増加し、落葉樹・草本種が減少する傾向があった.この傾向は牛の採食選択性および、粗飼料資源の変動に対応した選択性の変化によるものと考えられた.宮崎県諸塚村を対象に、林畜複合システムの適用可能域を判定するために,森林の立地解析を行った。幾つかの条件から森林生産力および災害危険度の推定モデルを作成し、これを基に木材生産林、水土保全林および多機能林を区分した結果を総合し、メソスケール(25mx25m)での林畜複合生産システムの適地を判定した結果、木材生産林ゾーンの多くで、同システムの適用可能性が示唆された。林放牧地内の渓流の硝酸濃度は放牧地外よりも高かったが,水道水基準よりもはるかに低かった.センチピードグラスの定着は東斜面で良好であり,晩夏〜秋にかけての播種は造成に望ましくなく,窒素施肥は大きく影響しないことが示された.
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