研究分担者 |
阿部 芳江 山口大学, 医学部, 教授 (60293578)
柳澤 尚代 三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (10310369)
波川 京子 広島県立保健福祉大学, 保健福祉学部, 教授 (30259676)
杉田 由加里 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 助手 (50344974)
酒井 郁子 千葉大学, 大学院・看護学研究科, 助教授 (10197767)
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研究概要 |
【目的】在宅高齢者における日常生活行動、生活意欲、配食ボランティアサービス(配食サービス)の利用、地域観の関連性及びその経年変化をもとに、住民主体の高齢者自立支援サービスの要件及び活動方法をボランティア・保健福祉職とともに明らかにする。【方法】調査地域は、保健福祉システムの全体を把握しやすい規模であり、民間事業者の参入が見込めず、住民主体の自立支援の役割が大きい地域のモデルとして4町(A,B,C,D :人口3500-16000人,高齢化率25-35%)を選択した。1)4町の保健福祉システム及び配食サービスの特徴を分析し、2)4町の利用者の日常生活行動、生活意欲、地域観の関連性とその変化を明らかにするために、13、14年度に続き訪問面接調査を実施した。【結果】1)配食サービスに関し、A町では保健師が食生活改善を意図し、B町では福祉職者が「ボランティアが地域全体を見えるようにつなぐ」ことを意図していた。B町ではボランティアが充足しており、他の3町では不足が問題となっていた。A,B,C町では保健師と福祉職者が連携し、ボランティアも"見守りの役割遂行"、"利用者との信頼関係"に関する活動上の工夫がみられた。D町では保健師がほとんど関与しておらず、自立支援サービスとしての質に4町間の違いがみられた。2)利用者の生活意欲の構成因子は4つに分類され、"痛みや不安も忘れる楽しみ""役割""自分の人生を意味づけられる満足""環境との相互作用よりも内的規範に添った生活"が抽出された。配食サービスの利用の影響は、"変化の少ない生活における刺激・楽しみ""時間的・精神的ゆとり"等の日常生活行動、"ボランティアの気遣いを認識""作る人への関心"等の社会的交流にみられ、地域の支援に対する考え方と関連がみられた。
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