研究課題/領域番号 |
13490003
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研究機関 | 弘前大学 |
研究代表者 |
丹野 正 弘前大学, 大学院・地域社会研究科, 教授 (30092266)
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研究分担者 |
羽渕 一代 弘前大学, 人文学部, 助教授 (70333474)
山下 祐介 弘前大学, 人文学部, 助教授 (90253369)
作道 信介 弘前大学, 人文学部, 教授 (50187077)
五十嵐 世津子 弘前大学, 医学部, 助手 (40250625)
木立 るり子 弘前大学, 医学部, 講師 (60197192)
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キーワード | 高齢化 / 過疎 / 出稼ぎ / 地域社会 / 介護 / 津軽 |
研究概要 |
本年度は主に次のような項目について検討を行い、次年度の成果報告に向けて研究を進めた。 1)津軽地域の社会変容と少子・高齢化をめぐるマクロ分析 昨年度に引き続き、津軽地域の社会変容と高齢化の状況について、統計・文献調査を行った。津軽地域の近代化は産業化の進行が他地域に比べて弱いまま、他方で生活様式のみが急速に変容した。こうした状況の中で、出稼ぎが常態化するなど、雇用状況に他地域とは異なる状態が創出され、当時の中高年人口がプールされ高齢化が進行せずにきた。しかしこれらの年齢層が65歳以上の段階に入り、引退、老齢を迎えつつある今日、急速な高齢化が顕在化してきた。こうした社会変容の過程を明らかにした。 2)急速高齢化の現場に関しては、主に次の3つの側面からフィールドワークを実施した。 第一に就業の側面である。第4次産業である出稼ぎについて、引き続き調査を行った。平賀町新屋地区で継続的に出稼ぎ経験者に生活史を聞き取ったほか、当地区で青年団の歴史を追って、青壮年層の地域社会における変化を探った。 第二に地域社会の側面である。過疎山村である相馬村A地区で住民票を用いた人口動態調査の分析をさらに進めた。昭和30年代以降の人口流出、分家、絶家の過程を計量的に分析にかけ、戦後の人口流出過程を詳細に把握した。また地域活性化対策についての調査を進め、とくに金木町の地吹雪体験ツアーについて分析した。 第三に、引き続き、介護現場の社会心理学的研究を遂行した。本年度はとくに、介護する側の意識を探り、介護者・要介護者の家族員としての位置関係に注目しながら分析を行った。また介護用品にかんする新聞調査も行い、そのテキスト分析を試みた。 3)以上をふまえて、急速高齢化地域における介護文化のあり方を問題にし、研究会で討議を重ねた。「介護文化論」の確立を探り、次年度の総括に向けた課題を整理した。
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