研究課題/領域番号 |
13558055
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
後藤 誠一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90029140)
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研究分担者 |
木内 正人 (独法)産業技術総合研究所, 光技術研究部門, 主任研究員
大久保 衛 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50243168)
杉本 敏司 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (70187665)
阿川 義明 (株)アルバック, 超高真空事業部, 課長(研究職)
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キーワード | SiC / 有機金属分子イオンビーム / メチルシリセニウムイオン / ヘテロエピタキシャル成長 / 高速中性粒子 |
研究概要 |
有機金属分子イオンビーム法は、炭化ケイ素(SiC)膜形成における前駆体として有機ケイ素化合物のジメチルシラン(SiH_2(CH_3)_2)の弱電離プラズマから生成・分離したメチルシリセニウムイオン(SiCH_3^+)を用いることで、SiC結晶成長を行う手法である。 低速イオンビームによる成膜では、強い空間電荷効果によるイオンビームの発散を防ぐ為にイオンビームを高速に加速して材料形成反応場へ輸送している。その輸送過程において、高速イオンビームが真空容器内の残留気体との衝突によって荷電変換が生じ高速中性粒子が発生する。この高速中性粒子は形成中の膜に損傷を与えるおそれがあるため中性粒子除去装置を設置する必要があり、その性能の高度化が求められる。また、有機金属分子イオンビームによるSiCの低温結晶成長において、高速中性粒子の成膜への影響についても調べる必要がある。 本研究課題の目的は、低速イオンビーム中に含まれる高速中性粒子の除去効率を従来装置よりも向上させることで成膜技術の高度化を行い、シリコン基板上へのSiCヘテロエピタキシャル膜の高品質化を目指すことである。イオンビーム偏向部に使用している装置の整備および高速中性粒子測定器の製作を行い、実験を行った結果、低速イオンビーム中に含まれる高速中性粒子量が低減されている傾向が示された。また、本手法によってSiCヘテロエピタキシャル膜の低温結晶成長を行い、SiCヘテロ膜の結晶性が他の手法で行った場合よりも良好であることを明らかにした。
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