研究課題/領域番号 |
13572037
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
丸山 浩明 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (50219573)
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研究分担者 |
宮岡 邦任 三重大学, 教育学部, 助教授 (70296234)
松山 洋 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50264586)
西脇 保幸 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (80228246)
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キーワード | パンタナール / ブラジル / 湿地 / 持続的開発 / 環境保全 / ビオトープ / エコツーリズム / 水質 |
研究概要 |
初年度にあたる今回の調査・研究では、以下の諸点が明らかになった。 1.国際原子力機関(IAEA)のブラジルにおける降水同位体データを分析した結果、パンタナール(クイアバ)では、年間を通じて重い降水から軽い降水まで幅広く観測されており、降水の起源に顕著な差異があることが判明した。 2.降水同位体比の年々変動が顕著な2月を対象に、南米大陸の水蒸気フラックス(NCEP/NCAR再解析データ)と同位体比との関係を分析した結果、重い降水は低緯度・内陸部(アマゾニア)の蒸発起源、軽い降水は高緯度もしくは高標高(アンデス)起源であることが明らかとなった。 3.パンタナール(ニェコランディア地区)では、雨季が始まる10月頃から徐々に浸水が始まり、3月頃に最高水位となる。その後、水は乾季を迎える5月の末頃に引き始め、8〜9月にはほとんど消失する。雨季と乾季の交替に伴う河川の水位変動は、年間約2mである。この水位変動により、流域にはBaia Corixo、Corixao、Salina、Vazante、Baixada、Campo、Cerrado、Cerradao。、Caapao、Cordilheira、Mata ciliarといった、多様かつ異質なビオトープが形成されている。 4.これらの多様かつ異質なビオトープの環境資源を、住民は時間的・空間的観点,から複合的に活用することで、湿地環境を保全しつつ合理的な牧畜経営を確立している。また、近年導入されたエコツーリズムはまだ緒についておらず、そのあり方が模索されている。 5.パンタナールの86地点で河川水・湖沼水・地下水を採水し、その物理化学的特性を分析した結果、乾季の水場分布は基本的に地下水分布に規制されているが、サリナスは地下水とは別の流動・涵酒養形態、もしくは地質環境を備えていることが予想される。
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