研究課題/領域番号 |
13572037
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研究機関 | 横浜国立大学 |
研究代表者 |
丸山 浩明 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (50219573)
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研究分担者 |
仁平 尊明 筑波大学, 地球科学系, 講師 (60344868)
宮岡 邦任 三重大学, 教育学部, 助教授 (70296234)
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キーワード | パンタナール / ブラジル / 湿地 / GPS / ビオトープ / エコツーリズム / GIS / ファゼンダ |
研究概要 |
今年度の研究成果は、以下のようである。 1.パンタナール・ニェコランディア地区のバイアボニータ農場(面積1760ha)を事例に、雨季の浸水地分布やビオトープタイプ分布を、上空から撮影した空中写真や携帯型GPSのマッピング機能を利用して解明した。さらに、GISによる面積計測から、雨季の終わりにあたる4月下旬の浸水域が、農場全体の約18%にあたる307haに達することを明らかにした。また、舟を利用してバザンテ(氾濫原)やバイア(湖沼)の横断面図を作成し、水深や多様な水生・半水生植物の空間分布を調査した。 2.タクアリ川が形成したパンタナール最大の扇状地性地形を、扇頂から扇端へとほぼ東西に横断しながら、地表水や地下水の電気伝導度を広く面的に計測し、水に含まれる溶存成分の割合を比較した。その結果、標高100mの等高線に沿う形で、地形の谷の部分に電気伝導度の低い地域が現れ、逆に谷から離れたところでは電気伝導度が高くなることがわかった。これは、地形形状により水質がある程度規定されていることを示唆している。また、現在の河川流路ではなく、過去の河川流路に沿った滞留時間の短い地下水の水みちがあることが予想できた。 3.南パンタナールに立地する多様なエコロッジ経営を調査した。その結果、これまでに調査を行った半牧畜・半観光的なファゼンダとは異なり、都会に観光用の事務所を開設して本格的なエコツアーを周年企画・実施し、牧場は伝統的なファゼンダに賃貸する新たな経営方式が明らかになった。また、農場の中には寄宿制の小学校を開設して、移動が可能となる乾季のみ授業を行っている所もあり、経済活動だけではなく子弟の基礎教育もパンタナールの重要な課題となっていることが明らかになった。
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