研究概要 |
平成15年度の成果を以下にまとめる. 1.大気エアロゾル観測網を用いた定点観測網の維持 2003年はAPEX-E3集中観測が実施された.同期間中を含め,和歌山県白浜,能登半島,長崎県福江島の3ヶ所にて放射計を設置し,エアロゾルの連続観測を実施した.2003年の黄砂観測日数は各地の地上観測結果より,2001年,2002年と比べて非常に少ないことを示している.晩春の5月にはロシア・バイカル湖付近で起こった森林火災による煙が観測された.解析の結果,森林火災特有の微小粒子の割合が非常に大きく,また5月21日における一回散乱アルベドの値は0.92であった.いずれのサイトのデータもAERONET (NASA),SKYNET(千葉大学・東京大学)データとしてWeb上で公開を行なっている. 2.遠征隊気偏光放射観測 2003年春、夏の四国〜九州沿岸域海上観測。秋の「みらい研究航海」参加による赤道域太平洋上での観測を実施した。蓄積したデータとの比較により大気環境の年変化が得られた。 3.大気エアロゾルと大気汚染物質の関係の考察 環境省管轄の大気監視局データ(SPM他)の解析と表示システムの作成、並びに大気放射観測、衛星解析から得られたエアロゾル特性との相互参照から、明らかな相関関係のあることが判明した。新たに測定機器を導入し、PM2.5の計測を開始した(H16年3月15日)。
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