研究概要 |
今年度は,収書計画の遂行のほか,基礎的研究として研究会開催により,制定当時のフランス民法典の作品としての全体的構想を概観することに努めた。 一言で言えば,近代的個人としての土地所有者をモデルとして,その家族(第1篇)・財産(第2篇)・債権債務関係(第3篇)を規律するのが,民法典である。この点、後世に言われている以上に起草者たちが自覚的であることが,法典の構成自体からも明らかであることがわかった。 今年度の重点課題である家族法については,とりわけ日仏法学会主催の第6回日仏法学共同研究集会(2001年9月)への参加を通じて、フランス人学者との討論から、現代における家族法の日仏比較に関して有益な視座を得た。古典的法モデルを「制度としての家族の枠組の中での構成員の権利義務」とするならば、現代的モデルは「家族内での個個人の幸福追求」ということである。
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