研究概要 |
本研究の目的はQuasi-Frobenius環を中心にArtin環を研究することであるが,昨年度から今年度にかけて次のような研究成果をあげた. (1)研究代表者は,1940年にNakayamaが生み出したQuasi-Frobenius環やNakayama環の構造をHarada環を通して長年(20年以上)研究し,その構造理論を構築している.発表論文[2]では,これまでの成果の総合報告を行った。この研究に関連して,分担者の花木氏との共同研究で,Nakayama group ringが一般のNakayama ringの中でどのように分布しているかを明らかにした.この成果は今年の6月中国南京市で行われる日-中-韓国際環論研究集会で発表する。 (2)発表論文[1]では,CS-加群の直和はいつCSー加群になるかというopen problemを研究し,この問題は2種類に分けられることを示し,そのうちの1つの場合についてはgeneralized relative injectivityなる新しい概念を導入し,これを用いて完全な解決を与えた。この結果の双対について,院生の倉富が最近萌芽的な研究を行った。 (3)発表論文[3]では,uniform加群の直和はいつCS-加群になるかという問題を解決した。
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