研究分担者 |
住岡 武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90047366)
兼田 正治 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (60204575)
津島 行男 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80047240)
橋本 義武 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (20271182)
浅芝 秀人 大阪市立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (70175165)
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研究概要 |
次数2のジーゲル尖点形式に付随したスピノル・エル函数の函数等式の中心における特殊値についてのベッヘラーの予想及びその一般化についての研究を遂行した。我々のアプローチは,ジャッケの相対跡公式を確立し,その帰結として特殊値についての予想を証明しようというものである。相対跡公式は,その証明に大変な労力を要するものであるが,それ故にそれが一旦証明されれば,大変強力な道具として,多くの応用が期待されるものである。我々はヘッケ環の単位元についての基本補題をすでに証明した。基本補題とは,二種類の局所軌道積分の間の等式を証明することである。その次の段階として為すべきは,基本補題をヘッケ環の任意の元に拡張することである。これについては,直接的に任意の元を考察するのでは無く,それを単位元との畳込みとして表すことによって,単位元の軌道積分の有限和に帰着することが有効であることが知られている。我々はそのとき重要である,ベッセル・モデルについての反転公式を証明した。これによって,問題を単位元に関する軌道積分を計算することに帰着することができた。現在はこれらの軌道積分の計算を終了することに全力を集中している。これが終われば,次は軌道積分の芽展開を考察しなければならない。また,無限素点に関する軌道積分も計算しなければならない。その一方,グロス・プラサド予想との関連で,ベッセル・モデルを持つような表現が局所的に,どう特徴付けられるかについても考察をすすめている。局所エル函数のイプシロン因子との関連が予想され,大変興味深い問題であると思われる。
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