研究概要 |
押切:有向グラフの許容関数の特徴づけを葉層の平均曲率関数との関係から与えた.また,リッチ曲率が非負の完備な多様体上の余次元1極小葉層が,その葉の成長度が2以下ならば全測地的になることを示した.更に,Mirandaがユークリッド空間の極小グラフに対して得た第2基本形式のノルムの2乗の積分についての評価の別証を得ること,及び,ユークリッド空間の余次元1極小葉層に対してのMirandaの結果に対応する評価を得ることが出来た.更に,(M, F, g)を正の断面曲率をもつ閉リーマン多様体(M, g)の余次元qメトリック葉層とするとき,ある種の「コンパクト葉の存在定理」を得た.特に,この結果の系としてBergerの結果の拡張を得た. 小嶋:一般奇数レベル・一般指標付の半整数の重さのKohnen空間に属するモジュラ形式の平方因子が無い整数におけるFourier係数の平方が,本質的に志村対応による像を付随二次指標で捩ったゼータ関数のcentral valuesと一致することを証明した. 飯田:4つの因子の化学反応を模した反応拡散系を適当に構成した上で,反応速度を大変速くした極限状況(特異極限)では,この系は2相分離を起こして古典的Stefan問題に帰着されることを証明した. 川田:自然数を素数のべき乗の和で表す問題に関する仕事において,これまでは4乗数の場合は15個以上(Davenport 1939),5乗数の場合は23個以上(Thani gasalam 1986)でないと扱うことができなかった限界をそれぞれ14個,21個以上に改良した.
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