研究分担者 |
志磨 裕彦 山口大学, 理学部, 教授 (70028182)
井上 透 山口大学, 理学部, 教授 (00034728)
安藤 良文 山口大学, 理学部, 教授 (80001840)
中内 伸光 山口大学, 理学部, 助教授 (50180237)
牧野 哲 山口大学, 工学部, 教授 (00131376)
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研究概要 |
本研究は,リーマン対称空間の完備全測地的部分多様体及びそれらを局所モデルとするグラスマン幾何の部分多様体論の研究を目的とする。研究期間4年の最終年度にあたる本年度は,主に以下の2点について成果が得られた。 (1)一般のリーマン対称空間の対称部分多様体の分類及びそのグラスマン幾何の様相が,ジョルダン代数,対称リー代数,対称R-空間等,リー代数理論に関連する代数的かつ幾何的理論と密接な関連を持つことを前年度完成の日本語論文「対称空間の対称部分多様体の分類」(研究雑誌「数学」(日本数学会編集,既刊)で明らかにした。本年度は,本研究期間最終年度であるため,4年間の研究を総合的な見地から眺めると共に国際的な評価をうるため,上記論文の英訳に着手し完成した。本論文は,アメリカ数学会編集のジャーナル「Sugaku Expositions」への掲載が決定している。 (2)次に,本研究の発展的研究の1つに位置付けられる「左不変計量を持つリー群上のグラスマン幾何の研究」に関して,3次元ユークリッド空間を除いて5種類ある3次元ユニモジュラーリー群の中で,唯一のベキ零リー群であるハイゼンベルグ群上のグラスマン幾何を前年度解明したのに引き続き,今年度さらに,2種類のベキ零でない可解リー群(ユークリッド平面及びミンコフスキー平面の合同変換群)上のグラスマン幾何の研究に指導学生と共に着手し,その解明に至った。その結果,それら2種類のグラスマン幾何の間に,可解リー群間のある種の双対性が反映していることが判った点は新しい知見である。
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