研究概要 |
一次元skipfree to the right L'evy processの正の点へのhitting timeはhitting pointを時間パラメータとしてみるとsubordinator(一次元単調非減少加法過程)であることがわかっており,点1での分布のラプラス変換の対数はもとの加法過程の時刻1での推移確率のモーメント母関数の対数の逆関数となることが古くから知られている.これでhitting timeの分布の特徴づけは完全にできているのだが,レヴィ測度がどのような形になるかはわかっていなかった.報告者はレヴィ測度を元の加法過程の原点でのlocal timeによって統一的に表現することに成功した.また,元の加法過程がcompound Poison with driftの場合にはそのレヴィ測度によるhitting timeの分布のレヴィ測度の表現を得た.さらに元の加法過程の推移確率が絶対連続な場合にそのcanonical densityによるhitting timeの分布のレヴィ測度の表現を得た.これらの結果を2002年1月21日一25日にデンマークのAarhus大学で開催された2nd L'evy Conferenceでの講演で発表した. storage processのモーメントの存在条件をinput processのレヴィ測度のモーメントの存在条件であらわすことも考えているがそのことに関してスペイン,バルセロナのポンピューファブラ大学のArturo Kohatsu氏と研究打ち合わせを行った.その中で我々の研究の数理ファイナンスへの応用について示唆された.
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