研究概要 |
本研究による主な研究実績は以下の3つである. 1.リャプーノフ関数をうまくとることによりstorage processの再帰性,非再帰性に関する新しい十分条件を与えた.これによりinput processがstable processの場合には再帰的なための必要十分条件が得られた.さらにinput processの推移確率が安定分布のdomain of atractionに入っているときにも推移的および再帰的なための十分条件をそれぞれ与えた。またrelease rateが有界な場合の再帰的および非再帰的のためのこれまで知られている十分条件を精密にした.その一部の結果はベッセル過程の再帰および非再帰に対応することも指摘した. 2.Storage processの推移確率の一般化モーメントが存在する(存在しない)ための条件をそのinput processのレヴィ測度の一般化モーメントの存在(非存在)条件で与えた. 3.Storage processの推移確率の末尾部の漸近挙動とそのinput processのレヴィ測度の末尾部の漸近挙動との関係を与えた.この結果を得るには無限分解可能分布のChistyakovらが考えたsubexponentialityおよびRosinskiやSamorodnitkyらが考えた確率過程のsubadditivityという概念とそれらの性質が有用であった. 2のモーメントと3の末尾部の漸近挙動の結果に共通していて興味深いことはOrnstein-Uhlenbeck type process (release rateが一次関数の場合)を境目として推移確率とレヴィ測度との対応関係が大きく異なることである.即ちRelease rateが巾関数で巾の次数が1以下の場合に条件に加法過程の場合と同じで次数は関係しないが次数が1より大きい場合には次数も条件に関係してくる,
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