研究概要 |
1.無限ネットワーク上で重みつきのソボレフ・ポアンカレ不等式と離散ラプラシアンに関する重み付き固有値問題の関係に着目して,最小固有値に関する結果を証明した。連続型ラプラシアンについて幾何学分野の手法は離散型にはあてはまらない。最小固有値を到達する固有関数のディリクレ和有限性についても検討を加えた。広島工業大学村上教授との共同研究である。 2.Martin境界は調和関数族及び領域の幾何学的形状の研究に重要な役割を果たしている。John領域を制限した一様John領域のMartin境界の決定を行った。更に研究成果を3次元Sierpinski Gasketに応用した。また,フラクタルと無限グラフの関係について共同研究を行った。 3.境界が容量密度条件を満たすという仮定の基で,John領域や一様領域,一様John領域の特徴付けを行った。John領域のための必要十分条件は調和測度の下からの評価が成立する事であり,一様領域のための必要十分条件はそれに加えて一様な境界Harnack原理が成立することであることを示した。 4.ヴォルテラ型積分微分方程式の解の有界性と周期解、中立型積分方程式の周期解・漸近周期解、不動点定理の関数微分方程式の解の安定性への応用、ヴォルテラ型差分方程式の周期解・漸近周期解及び解の安定性、及び中立型差分方程式の解の存在と周期解に関する成果を得た。 5.島根大学総合理工学部陳助教授との共同研究で,線形補償問題を微分不可能な方程式に書き直し,それを用いて与えられた問題が解をもつか否かを検証する方法を提案した。 6.無限ネットワーク理論と離散ポテンシャル論に関する山崎の研究成果を総括し,約150頁のレクチャーノートとしてまとめる作業を行い,8分どおり完成した。
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