研究課題/領域番号 |
13640222
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
古谷 賢朗 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70112901)
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研究分担者 |
小林 嶺道 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70120186)
岡 正俊 東京理科大学, 理工学部, 教授 (70120178)
大槻 舒一 東京理科大学, 理工学部, 教授 (80112895)
田中 真紀子 東京理科大学, 理工学部, 講師 (20255623)
小林 隆夫 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (90178319)
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キーワード | スペクトル流 / マスロク指数 / 楕円型微分作用素 / 境界値問題 / Cayley射影平面 / 測地流 / スペクトル逆問題 / product form |
研究概要 |
研究目的及び研究実施計画に基づき、以下の研究を行なった。 1.閉多様体上に一階自己共役楕円型微分作用素の一係数族があればホモトピー不変量として「スペクトル流」と呼ばれる整数値が定義できる。一方、多様体を二つに分割すればそれぞれに微分作用素の族を考えることが出来るが、ここにそれぞれうまく自己共役楕円型境界条件を考えればそれらをやはり自己共役な一係数族に出来てそのスペクトル流が考えられ、それらの和がもとの「スペクトル流」に一致することのメカニズムの一般的な枠組を構築し、所謂「和公式」の一つを証明した。このために先ず無限次元マスロフ指数の理論とそれによるスペクトル流公式の取扱についての理論を展開発展させた。特に局所スペクトル流公式の役割を明確にし、更に一般公式として、無限次元間でのマスロフ指数の還元定理を証明した。またここでの最終段階では、多様体を分割する超曲面の近傍で微分作用素が積構造をしていることを仮定する必要があるが、更に一般化する見通しを得た。今後の問題の一つとして、自己共役楕円型境界条件を役割に応じてうまく分類することを研究する予定である。特にAtiyah-Patodi-Singer境界条件とここで出てきた境界条件との関係の解明が必要であることが明らかになった。 2.Cayley射影平面の測地流の第一積分のうちmetric関数以外の4つについて具体な関数形を決定した。但し現在のところ他にいくつあるかは不明である。 3.スペクトル逆散乱問題について以下の結果を得た。球対称ポテンシャル散乱の位相差の定義を位相変化法を使って不定性なく与えた。さらにこれが原点に強い特異性をもつ斥力ポテンシャルにも適用できることを示し、二次元S波の散乱振幅の低エネルギー極限がその応用例となっていることを見た。
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