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2002 年度 実績報告書

高温型スカルンの生成および変質作用履歴の精密解析

研究課題

研究課題/領域番号 13640479
研究機関岡山大学

研究代表者

草地 功  岡山大学, 教育学部, 教授 (10032773)

キーワード岡山県備中町布賀 / 広島県東城町久代 / 高温型スカルン / 後退変質作用 / ゲーレン石 / ハイドログロッシュラー
研究概要

本年度は,主として岡山県布賀及び広島県久代に産する高温型スカルン鉱物のうち,特にゲーレン石の後退変質作用履歴の精密な解析を行なった.その結果,ゲーレン石及びその各種後退鉱物の産状,鏡下での組織及び化学分析から5つの変質過程のあることが明らかになった.
1.放射状変質過程:スカルン形成直後ゲーレンは単一鉱物相であったが,その後の温度低下に伴ってH_2O, CO_2成分との反応によって,ゲーレン石中に方解石と共に微細なアメサイトを晶出し,その周囲にはザクロ石成分に富む黒色変質部を放射状に形成した.その後,方解石,アメサイト,黒色変質部は反応し,中心部にベスビアナイトを生成した.
2.チタン相形成過程:スカルン生成後ゲーレン石に周囲の塩基性火成岩からSi, Ti, Feなどが供給され,これらの元素は方解石と反応してショウロマイト,ペロブスカイトを形成するとともに,ゲーレン石とも反応し,Grs_<50>Adr_<50>の組成を持つザクロ石を形成した.
3.優黒質細脈変質過程:Siを多量に含んだ熱水変質作用によるものであり,これらの成分はメリライト中のオケルマナイト成分と反応し,脈状にベスビアナイトを形成した.この時,メリライトの組成はゲーレン石成分に富む方向へと変化した.
4.優白質細脈変質過程:この過程には,未同定鉱物が生成されているため,詳しい反応については明らかではないが,Si, Caを含む熱水変質作用であると考えられる.
5.ハイドログロッシュラー帯状変質過程:産状から,ゲーレン石は最終的には全てハイドログロツシュラーに変質している.後退変質の最終段階として,ゲーレン石と方解石がSi^<4+>とともに加水反応し,さらにCO_2の付加によりハイドログロッシュラーへと変質した.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Kanako Shiraga: "Cahnite from Fuka, Okayama Prefecture, Japan"Journal of Mineralogical and Petrological Sciences. 97・2. 70-73 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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