研究課題/領域番号 |
13650307
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
伊瀬 敏史 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00184581)
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研究分担者 |
熊谷 貞俊 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (10093410)
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キーワード | 超伝導コイル / 二次電池 / 電力貯蔵 / 負荷変動補償 / 自然エネルギー発電 / 風力電源 / 分散発電 / 変動補償 |
研究概要 |
超伝導コイルは低損失で瞬間的に大きな電力が取れる、すなわち、電力密度が高い電力貯蔵デバイスである。その半面、エネルギー密度は二次電池やフライホイールに劣る。そこで、超伝導コイルと二次電池を組み合わせ、高電力密度で高エネルギー密度の電力貯蔵装置を開発することが本研究の目的である。その用途は電鉄変電所などにおける負荷変動補償や風力・太陽光発電などの自然エネルギー発電装置の変動補償が考えられる。超伝導コイルと二次電池のハイブリッド電力貯蔵装置の回路方式、制御方式、システムのシミュレーション方式を示し、実験結果を示した。得られた結果は以下で要約される。 1)ハイブリッド電力貯蔵装置の設計や特性の評価のためのシミュレーションを行うため、システムの損失評価が可能な二次電池の等価回路モデルを作成した。 2)フィルタを用いて電力変動を超伝導コイルと二次電池で分担させる手法について検討した結果、位相遅れが少ない1次ハイパスフィルタおよび1次ローパスフィルタが適当であることが分かった。逆に次数の高いフィルタはカットオフ特性が急峻となる反面、位相遅れが影響し、ハイブリッド貯蔵の効果が無くなる。すなわち、ハイブリッドにすることにより電力貯蔵デバイス間の電力転送が発生し、電力貯蔵装置の容量が増大する。 3)システムの長時間にわたる動作を効率良くシミュレーションするために超伝導コイル及び二次電池の充放電制御を行うチョッパのモデルにスイッチング素子の代わりに制御電圧源や制御電流源を用いる等価回路モデルを導出し、その有効性を確認した。 4)超伝導コイルと二次電池を異なる方式の二象限チョッパ回路を通して電圧形交直変換器の直流母線へ共通に接続した実験室レベルの装置を試作し、提案したハイブリッド電力貯蔵装置の制御方式の特性を確認した。 今後は種々のパターンの負荷変動補償や自然エネルギー発電の変動補償の検討を行う予定である。
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