研究概要 |
(1)平成13年度に実施した,加熱すりもみ法方式による高品質再生骨材を用いたコンクリートの広範囲な諸性質に関する実験研究および高品質再生骨材を用いた高流動コンクリートに関する実験研究の成果をそれぞれ2報に分けて日本建築学会大会学術講演梗概集に投稿し,平成14年8月の北陸大会に発表するとともに,これらの2シリーズの実験の中性化および凍結融解についての長期の耐久性試験を継続した。 (2)平成14年度着手の実験研究として,加熱すりもみ法方式による高品質再生骨材RM,同方式により実際の建築工事現場で製造した高品質再生骨材RS,最近開発された機械破砕・比重選別方式の高品質再生骨材RH,機械破砕方式のRKおよびRTについて,全粒度と粒度ごとに分級した再生粗骨材の密度,吸水率,モルタル付着率その他の骨材物性を試験し,加熱すりもみ法によるRMおよびRSはJASS5の骨材規程を満足するが,比重選別方式のRHはRK,RTに次いで優れた品質であるが,絶乾密度がJASS5の規定値を少し下回り,機械破砕方式のRK,RTは絶乾密度,吸水率ともにJASS5に不適合であることが分かった。 (3)前記の再生骨材のうちの加熱すりもみ法方式による高品質再生骨材RM,機械破砕方式のRK, RTについて,水セメント比60,50,43%の3水準とし,スランプ18cmのAEコンクリートの諸性質に関して実験し,砕石と比較した。RMは密度・吸水率だけでなく,実積率も高く,単位水量が砕石より少なくワーカビリティーも良好であった。再生骨材RK,RTは,圧縮強度,引張強度,静弾性係数,乾燥収縮,中性化,凍結融解などの諸物性が砕石より劣っているが、RMは圧縮強度は砕石より5%小さいが、引張強度、静弾性係数、乾燥収縮は砕石より優れ、耐久性の低下も他の再生骨材より極めて少なかった。
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