初年度である本年度は、(1)基礎資料の収集と整備、(2)文献研究、(3)マグロ研究会、(4)ヒヤリング・実態調査を行った。以下順に、その概要を報告する。 (1)基礎資料の収集と整備については、研究代表者の山下、研究分担者の除本、およびアルバイトの伊澤あらた(平成11-12年度基盤研究C(2)11660197における研究分担者)が各自所有している資料・データ類を持ち寄り、これを統一的なデータベースとして電子化した。数値統計のみならず、画像類についても順次CDROM化を進めているがまだ完了していない。これらのためにCDROM関連機器・消耗品、アルバイト代などが発生した。 (2)文献研究については別予算で実施した台湾実態調査から持ち帰った資料・文献を整理し、現在輪読中である。このために宅配便、郵送費、コピー代などが発生した。 (3)マグロ研究会は7月3日、12月19日、同28日に実施し、資料の照合、進捗状況の報告、国内調査先の選定などを行った。ただし、12月分については会議費は計上していない。 (4)ヒヤリング・実態調査は国内で二回実施した。一回目は8月29-31日で、除本・山下が津・名古屋・京都へ行き、キハダ・ビンナガマグロの市場流通についての研究と視察を行った。二回目は2月12-13日で、山下が神戸・館山へ行き、他魚種における輸入品と国産品の競争、品質の差別化、流通についてヒヤリング調査を行った。これらのために国内旅費が発生した。 この一年は、台湾の文献が収集できたことで予想以上の成果が上がったが、他方、華人ネットワークが生鮮・冷凍流通の規定要因としてどれほど重要かについては解明できなかった。より客観的な情報が必要と思われ、これについては来年度の課題としたい。
|