研究概要 |
本研究は大きく2つに分かれる。眼球運動の測定系の確立と、実際に画面として用いるOSの立ち上げである。1.眼球運動の測定系に関して、(1)従来の眼球運動測定に関する文献調査を行った。従来のEOG法、光学的に眼球情報を収集する方法などの原理、測定限界などを調査した。近年は、ビデオ技術の発展により、眼球自身の情報を検出して、注視点を検出する方法などが現れてきた。(2)注視点データ収集システムの作製、校正方法の確立、および注視点軌跡の処理、表示方法の確立に関しては、両眼の注視点データを利用することが可能なことにより、輻榛角の算出および算出データの妥当性を確認した。さらに、対象画面と眼球の相互関係を明確にする校正方法を確立した。加えて、被験者の拘束を減少するために、頭部固定を行わない測定方法の改良を行った。2.実際に用いたOS画面については、(1)MicroSoft Windows98,MacintoshOS(9,X)など、各OSにおける画面構成の調査を行い、該当OSシステムをすべて利用可能にした。加えて、NeXT systemなどのOSを利用可能にした。(2)OS操作に関する調査は、医用電子工学、人間工学、医療情報学などの分野において先行研究の調査を行った。しかし、本研究の参考となるOS操作に関連する研究は皆無であった。(3)OS操作時の眼球運動は、操作の典型例を文献的に決定することは前述の如く不可能であった。このため、パーソナルコンピュータを例に用い、プログラムの起動、ファイルの検索、目的のファイルのオープン、文書内容の確認、画面のスクロールなどの典型的操作時の一連の眼球運動を測定した。その結果、跳躍的運動と、ある点に集中する停留運動が交互に現れ、操作を行っていることが判明した。画面内を捜査する眼球運動の場合は数回の跳躍的運動により目的の部分まで到達した。
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