研究概要 |
完全脳虚血、モデルを用いた、protein kinase C(PKC),Calcium/calmodulin dependent protein kinase II(CaMKII)への増強したアシドーシスの及ぼす影響についてのこれまでの研究成果の上にたち、さらに研究を進めるために、虚血再潅流モデルを用い、アシドーシスを虚血前高血糖および、虚血前中高炭酸ガス血症により増悪させ、虚血をかけ、再潅流時のprotein kinase, protein phosphorylationについて検討した。 【方法】雄ラットの総頚動脈閉塞による前脳虚血及び再潅流モデル(10分間虚血)を用いた。虚血前に30分間glucoseを静注し、虚血前高血糖にしたラットと、高炭酸ガスを呼吸させPC02を300mmHgにコントロールしてから虚血をかけたラットを用いた。虚血再潅流後0.5時間、3時間にて液体窒素にて脳を凍らせ、保存した。Cingulate cortexを切り出し保存した。サンプルのhomogenateを細胞質分画、膜分画に分けた後western blot法にてPKCγ、CaMKII、phosphotyrosine, extracellular-signal regulated kinase (ERK)を測定し検討した。 【結果と考察】高血糖群にてPKCγの細胞質より膜分画へのtranslocationは促進していたが、高炭酸ガス血症群では顕著ではなかった。CamKIIはアシドーシス増強により影響を受けなかった。膜分画のtyrosine phosphorylationと細胞質でのERKは高血糖群でのみ増強されていた。 Cingulate cortexのダメージにprotein kinaseとERKシステムが関与している可能性があり、高血糖はアシドーシスのみでなく、他のメカニズムを介してこれらに影響していることが推察された。
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