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2002 年度 実績報告書

血管リモデリングにおけるレムナントの役割と分子メカニズム

研究課題

研究課題/領域番号 13670711
研究機関神戸大学

研究代表者

石川 雄一  神戸大学, 医学部, 教授 (90159707)

研究分担者 川嶋 成乃亮  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (10177678)
谷口 隆弘  神戸大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (20263379)
キーワードカイロミクロンレムナント / 内皮細胞 / 平滑筋細胞 / アポトーシス / MCP-1
研究概要

動脈硬化や高血圧による血管病変・血管形成術後の再狭窄、内膜肥厚は血管リモデリングとしてとらえられ、内皮細胞、平滑筋細胞、炎症細胞などの役割が重要な役割を果たしている。我々は、高トリグリセリド血症と食後高脂血症における動脈硬化惹起性リポ蛋白であるカイロミクロンレムナントに注目し、その内皮細胞、平滑筋細胞、マクロファージに対する作用を分子生物学的に検討した。ラットに脂肪食負荷して得たリンパ液から超遠心法にて精製したカイロミクロンを機能的に肝切除術を施行したラットの静脈内に再度注射し、カイロミクロンレムナントを得た。カイロミクロンレムナントの内皮細胞に対する作用を検討したところ、カイロミクロンレムナントは内皮細胞のviabilityを濃度依存性に減少させ、この作用はcaspase-3の活性化によるアポトーシスの誘導によることを明らかにした。次にカイロミクロンレムナントの平滑筋細胞に対する作用を調べた。カイロミクロンレムナントは高濃度では内皮細胞に対するのと同様に平滑筋細胞のviabilityを減少させるが、低濃度では単球を血管壁へ誘導するMCP-1の発現を増強することをmRNAと蛋白のレベルで明らかにした。次にこのMCP-1の発現にいたる細胞内シグナル伝達を検討した6カイロミクロンレムナント処理によるMCP-1の発現はp38 MAPキナーゼ阻害剤(SB203580とSB202190)にて濃度依存性に抑制されたが、MEK阻害剤(PD98059)は影響がなかった。これらのことからMCP-1の発現にはp38MAPキナーゼが重要な役割を果たしていることを明らかにした。レムナントは動脈硬化を発症する疾患において増加することが知れれているが、その機序は内皮細胞の機能障害や平滑筋細胞におけるMCP-1発現増加等を介して、動脈硬化を惹起することが明らかになった。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 谷口 隆弘: "レムナントと動脈硬化"Athero-thrombosis. 7・1. 36-38 (2001)

  • [文献書誌] 谷口 隆弘: "冠動脈形成術後再狭窄の薬物療法"Molecular Medicine. 38. 281-286 (2001)

  • [文献書誌] 高橋 知三郎: "スタチンの種類とPleiotropic Effectsの差異"Geriatric Medicine. 39・4. 595-599 (2001)

  • [文献書誌] Akihiko Oda: "Leptin stimulates rat aortic smooth muscle cell proliferation and migration"Kobe Journal of Medical Sciences. 47. 141-150 (2001)

  • [文献書誌] Seinosuke Kawashima: "Endothelial NO synthase overexpression inhibits lesion formation in mouse model of vascular remodeling"Arterioscier Thromb Vasc Biol.. 21. 201-207 (2001)

  • [文献書誌] Seinosuke Kawashima: "A HMG-CoA reductase inhibitor reduces stroke events in stroke-prone spontaneously hypertensive rats"Stroke. 34・1. 157-163 (2003)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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