研究課題/領域番号 |
13671194
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
山岡 孝 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 助教授 (40263826)
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研究分担者 |
杉野 弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (50211305)
野地 澄晴 徳島大学, 工学部, 教授 (40156211)
板倉 光夫 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 教授 (60134227)
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キーワード | 膵島 / 膵β細胞 / トランスジェニックマウス / アクチビン / 再生医療 / 糖尿病 / Pdx1 / HB-EGF |
研究概要 |
【目的】β細胞の分化におけるアクチビンシグナルとHB-EGFの重要性をin vivoで検討する。 【方法】Pdx1プロモーターによって、優性阻害型アクチビン受容体、アクチビンB、HB-EGFをそれぞれ発現するトランスジェニックマウス(Tgマウス)を作製した。 【成績】優性阻害型アクチビン受容体を発現したTgマウスでもアクチビンBを発現させたTgマウスでも同様に、外分泌・内分泌組織の低形成を認めた。特に膵島の低形成が著しく、どちらのTgマウスも糖尿病を発症した。すなわち、膵臓の発生初期にアクチビンシグナルが減弱すると外分泌・内分泌細胞の分化が障害され、一方、アクチビンシグナルが増強されると、アクチビンによる増殖抑制効果により、どちらの場合も膵臓の低形成を来たすことが明らかになった。さらに、優性阻害型アクチビン受容体を発現するTgマウスでは、膵管上皮の増殖による膵嚢胞腺腫と肝外胆管径の増加が認められた。HB-EGFを発現するTgマウスでは、膵管上皮細胞が著しく増殖し、肝外胆管径の増加も認められた。すなわち、膵臓におけるHB-EGFの主な標的細胞は膵管上皮であることが明らかになった。また、HB-EGFとアクチビンはともに肝外胆管のサイズを調節していることが明らかになった。 【結論】膵臓の正常発生には、適切な強度のアクチビンシグナルが必要である。HB-EGFの膵臓における主な標的細胞は膵管上皮細胞である。
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