研究分担者 |
中村 康子 藤田保健衛生大学, 医学部, 助手 (50308871)
松原 俊樹 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (50257622)
桜井 洋一 藤田保健衛生大学, 医学部, 助教授 (60170651)
落合 正宏 藤田保健衛生大学, 医学部, 教授 (00051772)
今津 浩喜 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (50298519)
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研究概要 |
胃癌、大腸癌症例を対象にCollagen droplet drug sensitivity test(CD-DST)を用いて5-fluorouracil(5FU)mitomycin(MMC), cisplatin(CDDP)に対する化学療法剤感受性試験を施行し、感受性を制御する因子として癌組織中のthymidylate synthase(TS活性), dihydropyrimidine dehydrogenase(DPD活性)、thymidine phosphorylase(ThdPaseならびに免疫染色),P-glycoprotein(P-GP)発現,p53蛋白の発現、p53遺伝子変異について関連性を検索し、化学療法剤感受性予測因子としての臨床的意義を検討した。対象は胃癌17例、大腸癌23例の外科的切除症例40例であり、症例の内訳は男性19例、女性21例で、平均年齢71.0±11.2歳であった。現在、さらに25症例の胃癌、大腸癌を追加し、これらの症例の化学療法剤感受性試験を行い結果を集積中である。またこれらの症例の腫瘍組織中のTS活性、DPD活性、ThdPase活性も測定中であり、感受性との関連性についても検討中である。これまで得られた結果から各薬剤感受性と各種酵素活性との関連を検討する目的で、癌組織中のTS活性、DPD活性、ThdPase値の平均値以上を高値群、平均値未満を低値群の2群に分け、両群間のT/C比を比較した。またThdPase、P-GPおよびp53蛋白の免疫組織学的染色を施行し、それぞれの発現陰性群、陽性群の2群に分け、T/C比を比較した。p53遺伝子のexon5,exon6,exon7,exon8における変異はPCR-SSCP法を用い、いずれかのexonに異常バンドを検出したものをp53遺伝子変異陽性と判定し、T/C比を比較した。またさらにdirect sequence法を行い、詳細な塩基配列を決定し、これらと感受性の結果の関連性についても検討中である。これまで得られた結果では5-FU、MMC、CDDP曝露後の平均T/C比はそれぞれ胃癌で79.5±19.6%、81.2±26.5%、81.4±25.9%、大腸癌で86.7±10.8%、101.6±7.2%、102.1±12.3%であった。5-FUに対する感受性はTS活性高値群において低い傾向を示した(p=0.087)が、DPD活性値との間に有意な関連は認めなかった。ThdPase定量では高値群において5-FUに対する感受性が低い傾向を認めたが(p=0.086)、免疫組織学的染色の結果、ThdPaseの発現性と5-FU感受性との間には有意な関連は認めなかった。
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