• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

骨関連悪性腫瘍の転移メカニズムの解明とその制御

研究課題

研究課題/領域番号 13671508
研究機関大阪大学

研究代表者

名井 陽  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10263261)

研究分担者 中瀬 尚長  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00283755)
上田 孝文  大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00324773)
吉川 秀樹  大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
鳥塚 之嘉  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (20324775)
橋本 伸之  大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50324752)
キーワード骨肉腫 / 転移性肺腫瘍 / 臓器特異性 / 微小環境 / 遺伝子発現 / VCP / NF-kB / アポトーシス
研究概要

骨肉腫は臨床的に高率に肺転移を生じるが、その分子メカニズムは十分解明されていない。マウスDunn骨肉腫細胞は、尾静脈注射すると約80%で肺に転移巣を形成するが、他の臓器ではほとんど転移巣を形成しない。このような臓器特異性は、尾静脈より注入された細胞が肺の毛細血管系で初めてトラップされるという循環系の解剖学的要因が大きいと想像される。この影響を排除するために、皮下に臓器片あるいはゲル内封入した各種臓器細胞を移植したマウスにおいて同様のDunn骨肉腫細胞尾静脈注射モデルを作成したところ、やはり肺への親和性が認められた。すなわち、骨肉腫細胞の好肺転移性は解剖学的要因のみでは無いことが明らかとなった、そのメカニズムは十分解明されていないが、in vitroにおいて肺組織の培養上清にDunn骨肉腫細胞の増殖刺激活性が認められたことはその一因と考えられる。
我々が樹立したマウスDunn骨肉腫細胞由来の高肺転移株LM8細胞は、マウス皮下に移植すると2〜3週間で肺転移巣を形成する。LM8とDunnの遺伝子発現の違いをsuppression subtractive hybridization(SSH)法にて検討したところ、VCP(valosin-containing Protein)がLM8で強く発現していることがわかった。VCPはIk-Bをユビキチン化してNF-kBを活性化することが知られているが、LM8およびVCPを強制発現したDunnではコントロールのDunnと比較してNF-kB恒常的に活性化しており、TNF-αによるアポトーシス誘導が抑制されていた。また、皮下移植肺自然転移モデルにおいてVCP強制発現DunnはLM8と同様の高い肺転移能を示した。このことからLM8の高い肺転移能はVCPの強発現によるNF-kBの恒常的活性化によりアポトーシス抵抗性となっていることがひとつの原因と考えられた。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Obata, H.: "Analysis of organ selectivity in the metastatic behavior of Dunn osteosarcoma"Clinical Orthopedics and Related Research. 398. 212-222 (2002)

  • [文献書誌] Asai, T.: "VCP (p97) regulates NFkappaB signaling pathway, which is important for metastasis of 」 cell line"Japanese Journal of Cancer Research. 93・3. 296-304 (2002)

  • [文献書誌] Asai, T.: "Osteosarcoma after bone marrow transplantation for acute lymphoblastic leukemia"International Journal of Clinical Oncology. 7・5. 318-321 (2002)

  • [文献書誌] Ueda, T.: "Frequent expression of smooth muscle markers in malignant fibrous histiocytoma of bone"Skeletal Radiology. 55・11. 853-858 (2002)

  • [文献書誌] Nakanishi, H.: "Clinical implications of C-reactive protein levels in malignant fibrous histiocytoma"International Journal of Cancer. 99・2. 167-170 (2002)

  • [文献書誌] Naka, N.: "Expression of SSX genes in human osteosarcomas"International Journal of Cancer. 98・4. 640-642 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi