研究課題/領域番号 |
13671508
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
整形外科学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
名井 陽 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (10263261)
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研究分担者 |
中瀬 尚長 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (00283755)
上田 孝文 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00324773)
吉川 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (60191558)
橋本 伸之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (50324752)
冨田 哲也 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (30283766)
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研究期間 (年度) |
2001 – 2003
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キーワード | 骨転移 / 骨肉種 / チロシンキナーゼ / MAPキナーゼ / インスリン様増殖因子 / カドヘリン / 臓器選択的転移 / NF-kB |
研究概要 |
本研究では、A)癌の溶骨性骨転移、B)骨肉腫の肺転移の成立の分子機構を明らかにし、その分子を標的とした特異的な薬物療法あるいは遺伝子治療法による予防・治療法を確立することを目標に研究を行い、以下の成果を得た。 A)癌の骨転移を制御する因子の検索と実験的治療 癌遺伝子Srcチロシンキナーゼの変異遺伝子をヒト乳癌細胞株MDA-MB-231細胞に強制発現させると、心腔内注射骨転移モデルにおいて骨転移の形成はSrcチロシンキナーゼ活性に相関することがわかった。インスリン様増殖因子(IGF)のレセプターをMDA-MB-231細胞に強制発現すると骨転移形成能が亢進し、変異型IkBαを強制発現させた細胞ではIGF刺激によるNF-kBの活性化は抑制され骨転移能も低下していた。これらよりIGFは腫瘍細胞のNF-kBを介したメカニズムで骨転移を促進することが示唆された。Cadherin-11を強制発現させた293T細胞を心腔内注射すると骨にhomingする細胞数が増加し骨転移形成も増強されていた。この細胞は、cadherin-11を発現する骨芽細胞と接触すると走化性、破骨細胞分化促進能が増強した。p38MAP kinase阻害剤FR167653はマウス乳癌細胞の皮下移植または心腔内投与による骨転移を抑制しなかった。 B)骨肉腫の肺転移を制御する因子の検索と実験的治療 異所性に移植された臓器に対するマウスDunn骨肉腫細胞の臓器選択性転移を検討したところやはり肺に選択制を示した。肺器官培養の上清中には骨肉腫細胞の増殖を刺激する活性が認められた。また、肺胞上皮細胞の培養上清中には骨肉腫細胞のVEGF産生を刺激する活性が認められた。Dunn骨肉腫細胞から得られた高肺転移株LM8細胞はDunn骨肉腫細胞に比べVCP遺伝子を高発現しており、その結果NF-kBが恒常的に活性化され、アポトーシスに耐性となっていた。NFkBの阻害剤パルテノライドはLM8細胞の肺転移を選択的に阻害した。
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