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2001 年度 実績報告書

ナトリウム・重炭酸共輸送体変異による白内障・緑内障発症機構の解析

研究課題

研究課題/領域番号 13671826
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

田中 義和  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (20292922)

研究分担者 七條 えりか  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (50242144)
天野 史郎  東京大学, 医学部・附属病院, 講師 (80193027)
関 常司  東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (30206619)
キーワードNBC-1 / 白内障 / 緑内障 / 帯状角膜変性症
研究概要

ナトリウム重炭酸共輸送体(NBC-1)の変異により帯状角膜変性症、白内障、緑内障などの眼症状を伴う近位尿細管性アシドーシスが生じることが報告された。本研究は何故NBC-1の変異によりこうした眼症状が生じるのかを明らかにするために立案されたもので、現在のところ以下のような知見を得て報告した(J.Clin.Invest. 108:107-115,2001)。すなわちまずNBC-1の腎型(kNBC-1)および膵型(pNBC-1)アイソフォームそれぞれに特異的な抗体を作製し、ヒトおよびラット眼球にて免疫組織学的検討を行った。その結果、この二つのNBC-1アイソフォームが共に角膜内皮、レンズ上皮、および繊維柱帯に発現していることを確認した。ここで従来レンズ上皮細胞におけるNBC-1の存在について否定的な報告がなされていたが、我々は生理的実験によりヒト培養レンズ上皮細胞にナトリウム重炭酸共輸送体活性が存在することを初めて見い出した。さらにこの活性がNBC-1蛋白によることをNBC-1に特異的なリボザイムを用いて証明することに成功した。以上の結果はNBC-1の活性低下が直接眼組織の恒常性を破綻させ、種々の眼症状を発生させることを示唆している。特に帯状角膜変性症についてはNBC-1の活性低下により角膜ストローマ内のpHが上昇し、その結果としてカルシウム沈着がおきることが原因と考えられた。一方、白内障についてはNBC-1の活性低下によるレンズ上皮輸送機能の低下が引き金となっていることが推察された。また緑内障についてはNBC-1の活性低下が繊維柱帯細胞の機能異常を引き起こし、そのため眼房水の排出不全を呈する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Igarashi T et al: "Novel nonsense mutation in Na^+/HCO_3^- contransporter gene(SLC4A4) in a patient with permanent isclated renal tubular acidosis and bilateral glaucome"J.Am.Soc.Nephrol.. 12. 713-718 (2001)

  • [文献書誌] Igarashi T et al.: "Unraveling the molecular basis of hereditary renal tubular aeidosis"Clin.Exp.Nephrol.. 5. 8-12 (2001)

  • [文献書誌] Usui T et al.: "Molecular basis of ocular abnormalities associated with proximal renal tabular acidosis"J.Clin.Invest.. 108. 107-115 (2001)

  • [文献書誌] Sun D. et al.: "Quantifying po-phobilinogen deaminase mRNA in microdissocted nephron segments by a modified RT-PCR"Kidney Int.. 61. 336-341 (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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