本研究の目的は、「健やか親子21」における主要課題のひとつである十代の望まない妊娠を予防し、人工妊娠中絶軽減のための具体的な方策を検討することである。 研究方法は、(1)京都府内で開業している産婦人科医を対象とした10代のピル処方の実態(2)京都府内の開業産婦人科医から処方されたピルを服用している10代の性行動やピル服用に対する認識の実態(3)京都府内の小・中・高校における性教育の実態(4)京都府内の中・高校生の性知識や家庭における性教育の実態について、質問紙により順次調査する。 調査内容は、(1)の調査;平成13年度の10代ピル処方件数・フォロー状況・指導内容、ピル処方の判断基準・処方システム、平成13年度の中絶件数・十代に勧める避妊法、属性他 (2)の調査;性意識・性行動、ピル周知方法・服用後の認識、家族関係や友人関係他 (3)の調査;平成13年度性教育の実施状況、避妊や妊娠に関する相談の実態他 (4)の調査;性意識・避妊知識・性に関する相談、家庭での性教育内容他である。 なお、(2)の調査票は、(1)の調査時に協力の意思が得られた医療機関をピル服用のため受診した10代に配布する。 平成13年度は、研究計画の具体的策定と4種類の調査票の作成、調査にかかる関係機関との調整・連携を行い、平成14年3月中に(1)及び(3)の調査票を送付予定である。主な関係機関は、京都府医師会産婦人科医会・京都府及び京都市教育委員会・京都府立医科大学産婦人科教室である。 平成14年4月には(2)及び(4)の調査を行うとともに、それぞれの調査結果の解析から明らかになった課題を解決するための思春期保健対策について、家庭・学校・地域社会及び保健・医療・教育の分野から検討する。
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