研究課題/領域番号 |
13680244
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研究機関 | 公立はこだて未来大学 |
研究代表者 |
美馬 義亮 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 講師 (60325892)
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研究分担者 |
鈴木 真理子 滋賀大学, 教育学部, 助教授 (40273388)
美馬 のゆり 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 客員教授 (00275992)
柳 英克 公立はこだて未来大学, システム情報科学部, 助教授 (10325889)
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キーワード | インタラクティブシステム / ミュジアム / 参加型 / ネットワーク / シミュレーション / ミュージアム |
研究概要 |
シミュレーションロボットという対象の存在意義は、鑑賞者が展示物にかかわり、新たな表現を作ることで、情報の受け手から発信者へ立場を変える点にあった。本研究では、アニメーションとして動作するシミュレーションロボットのプロトタイプを作成し、その操作性や表現力の評価を行った。その結果、単純な操作で様々なバリエーションをもつ動作をシミュレーションロボットに持たせるより、さらに単純な図形要素を再配置することにより抽象画を生成することが、鑑賞者に与える影響が大きいと判断した。シンプルな対象物(オブジェ)であればあるほど、鑑賞者が自由な解釈(見立て)を行うことの自然な帰結である。 このシミュレーションロボットの代わりに、我々の手で開発していた抽象絵画生成ソフトをミュジアムに展示可能なシステムとして、マウスの操作で、次から次へと抽象画を生成して没入的に楽しむことのできるシステムが完成した。このソフトウェアは実際に、埼玉県川口市のSkipCityにある映像ミュジアムに1年館常設し、ミュジアムの展示物として利用された。この常設展示の経験を踏まえ、次のステップで、小学生に対する抽象画ワークショップを開催し、美術教育のツールとして価値の評価をおこなった。その結果、このような対話ツールを用いて絵筆や鉛筆での抽象画の作成体験をしたときに、小学生程度の表現技術では偶然による表現と意図的な表現の差がわかりにくいという問題を克服し、小学生でも抽象絵画の艦賞や表現ができるほど深いかかわりを持たせることができることが判明した。 最終的にはこのように単体で参加感を強く持てるシステムをさらにネットワークで結合し、ミュジアムにおける鑑賞者の参加をより強く促すシステムとした。このことにより、美術館のなかで使用される対話的システムの今後の方向性の一つを示すことができた。
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