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2001 年度 実績報告書

機能ドメイン構造をつくりだすヘパラン硫酸-O-硫酸転移酵素群の生物学的機能の解明

研究課題

研究課題/領域番号 13680696
研究機関愛知医科大学

研究代表者

羽渕 弘子  愛知医科大学, 分子医科学研究所, 講師 (90329821)

キーワードグリコサミノグリカン / ヘパラン硫酸 / ヘパラン硫酸-O-硫酸転移酵素 / プロテオグリカン / 細胞増殖因子 / 生化学 / 分子生物学
研究概要

今年度の研究計画である3つの課題についてその成果と経過について報告する。
1.ノックアウトマウスの作製:HS2ST, HS6ST-1,-2について3種とも相同組換えをしたES細胞が得られた。HS2STのI型ノックアウトマウスについては生殖細胞に変異体が入ったことが確認出来たので、ヘテロ変異体間の交配を開始する。HS2STのII型(cre-loxPによるコンディショナルな)ノックアウトマウスについては生殖細胞に変異体が入ったことが確認できなかったので、ES細胞のスクリーニングを再度行っている。HS6ST-1についてはキメラ率の高いマウスが得られたので現在生殖細胞に変異体が入ったかどうか確認中である。HS6ST-2に関しては遺伝子がX染色体にのっていることを考慮してcre-loxPによるターゲティングベクターを作製し、生殖細胞に変異体が入ったことが確認できた。今後cre-loxPマウスと交配することを計画している。以上のようにノックアウトマウスの作製に関しては概ね予定どおりに進んでいる。ショウジョウバエHS6STの遺伝子をdsRNAでノックダウンすると気管形成が異常になり胚は致死となった。これらの結果はHS6STがFGFのシグナル伝達に重要な役割を果たしていることを示した。
2.組織レベルでの本酵素の機能解析:ニワトリHS2ST, HS6ST-1,-2遺伝子をレトロウィルスに挿入したベクターを作製し、ウィルスをニワトリ胚の肢芽に注入したが局所的に感染させるのは予想以上に難しかった。そこでウィルスに感染した細胞を埋め込む方法に変えて検討している。
3.ヘパラン硫酸硫酸転移酵素の発現とヒト疾患との関連:ヒトHS2ST, HS6ST1,-2遺伝子ORFの3'側半分をGSTベクターに組み込んで大腸菌に発現し、必要なタンパク量を調整した。これを抗原としてポリクロン抗体を作製し、天然のヘパラン硫酸硫酸転移酵素と反応することが確認できた。予備的なデーターでは得られた抗HS6ST-2抗体は大腸癌を特異的に染色した。
クラミジアのホスト細胞への感染はヘパラン硫酸の特異な構造を必要とすることを修飾ヘパリンやこれら遺伝子を導入した細胞を用いてあきらかにし、2-O-脱硫酸化ヘパリンのオリゴ糖が感染を阻害する可能性を示唆した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 羽渕弘子, 木全弘治: "ヘパラン硫酸鎖の多様性と機能"生化学. 73・10. 1246-1256 (2001)

  • [文献書誌] Kamimura K, Habuchi H, Kimata K, Nakato H. et al.: "Drosophila heparan sulfate 6-O-sulfotransferase (dHS6ST) gene. Structure, expression, and function in the formation of the tracheal system"J.Biol.Chem.. 276・20. 17014-17021 (2001)

  • [文献書誌] Rong J, Habuchi H, Kimata K, Lindahl U, Kusche-Gullberg M: "Substrate specificity of the heparan sulfate hexuronic acid 2-O-sulfotransferase"Biochemistry. 40・18. 5548-5555 (2001)

  • [文献書誌] Ford-Perriss M, Habuchi H, Kimata K, Turnbull JE. et al.: "Variant Heparan Sulfates Synthesised in Developing Mouse Brain Differentially"Glycobiology. (in press). (2002)

  • [文献書誌] Yabushita H, Habuchi H, Esko J.D., Kimata K. et al.: "Effects of Chemically Modified on Chlamydia trachomatis Serovar L2 Infection of Eukaryotic Cells in Culture"Glycobiology. (in press). (2002)

  • [文献書誌] Hiroko Habuchi, Koji Kimata: "Handbook of Glycosyltransferases and Related Genes(67,68章を分担)"Springer. 463-474 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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