グルタミン酸トランスポーターはてんかん、脳虚血及び神経変性疾患等、種々の神経疾患において興奮毒性から神経細胞を保護する役割があると考えられている。我々は神経性グルタミン酸トランスポーターEAAC1(EAAT3)の発現が脳低酸素・虚血やてんかんにおいてダイナミックに変化することを報告してきた。すなわち、新生児ラット脳低酸素・虚血モデルにおいてEAAC1は梗塞境界領域(ペナンブラ)の神経細胞に高発現しており、低酸素・虚血刺激で誘導される可能性が示唆された。カイニン酸投与ラットてんかんモデルでは、痙攣重積後に大型錐体神経細胞のEAAC1が一過性に形質膜からゴルジ体に移動していた。このような現象はヒトてんかん組織である皮質異形成のdysplastic neuronにおいても同様に観察された。EAAC1の細胞内局在変化は細胞内への過剰なグルタミン酸の取り込みを防ぐことにより神経細胞の保護に重要と考えられた。さらに、EAAC1蛋白の細胞内局在変化のメカニズムを明らかにするため培養系においてGFP遺伝子を導入したEAAC1を用いてその機能を調べている。
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