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2001 年度 実績報告書

ヒト赤血球置き換えSCIDマウスモデルを用いたヒトバベシア症の解析

研究課題

研究課題/領域番号 13770128
研究種目

奨励研究(A)

研究機関国立感染症研究所

研究代表者

新井 智  国立感染症研究所, 感染症情報センター, 研究員 (80321868)

キーワードBabesia microti / SCIDマウス / 抗原変異
研究概要

バベシア原虫は宿主の免疫を回避し、持続感染する。この抗原変異メカニズムにより多様な病態や効果的なワクチン開発を難しくしている。そこで今年度の研究では、日本に存在するバベシア原虫の多様性の比較と、抗原変異を再現する実験系の確立を行った。
比較したバベシア原虫は、北海道、関東地方、中国地方、四国地方の野ネズミから分離したバベシア原虫を用いた。ウエシタンブロットでそれぞれの原虫の抗原性状を比較したところ、いずれの原虫にも一つの主要抗原が存在していた。しかし、観察された主要抗原の分子量は全て異なっていた。一方、抗原性状とは全く関係しないRibosomal RNA遺伝子を用いてそれぞれの原虫を比較したところ、日本の各地域から分離したバベシア原虫は大きく2種類に分類できた。既に報告されている米国のヒト由来バベシア原虫(Babesia microti Gray株)とも異なっていた。この結果から、日本には日本独自の株が存在し、抗原性状も多様であることが明らかになった。次に実験的にバベシア原虫の抗原変異を再現する実験系の確立を試みた。
まず、バベシア原虫の抗原性状を比較するためにモノクローナル抗体を作成した。抗原には、島根県下の野ネズミから分離した野外分離株を用いた。得られたモノクローナル抗体はいずれも原虫抗原を認識しており、感染血球に対する抗原は得られなかった。
得られたモノクローナル抗体を用いて抗体の認識する抗原を検索したところ、35KDa、58KDa、100KDaの原虫抗原を認識していた。現在は、これらモノクローナル抗体の原虫増殖抑制効果をヒト赤血球置き換えSCIDマウスモデルを用いて判定し、抗体存在下で増殖した原虫の抗原性状を解析する予定である。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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