(1)「カルトロジーとカルトグラフィー」の概念整理と定義の確立に向けての検討をおこなった。 (2)これまで蒐集した古世界地図の整理:エルサレム中心地図50点、イスラム中心世界地図20点、イド中心世界地図30点、中華中心地図8点、日本中心地図40点、アメリカ中心地図20点、オースラリア中心地図5点を、画像情報としてコンピューターに保存し、将来、インターネットによる公開出来るよう準備した。 (3)中華中心世界地図が朝鮮でしか作成されなかった経緯を研究し、このタイプの地図が、科学的地理情との整合性を求めて近世期に変容し、破綻・消滅する過程の研究をおこなった。 (4)インド中心の「仏教的世界地図」が、一九世紀に、近代的世界情報と整合するように変容していったが、一八六〇年代に突如破綻するプロセス、つまり、「視覚化された世界像のパラダイム変換」を軸として考察し、日本における近代的世界観の成立を検討した。 (5)フランス・リヨン大学で、西洋における歴史的世界地図の調査を行った。
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