研究課題/領域番号 |
13877144
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
寺田 正樹 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (80188680)
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研究分担者 |
佐藤 守男 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50154109)
白井 信太郎 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (00192120)
岸 和史 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (70254547)
谷畑 博彦 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手
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キーワード | 動脈内注入 / 流体 / 頭頚部癌 / 軸集中 / 乱流 / 層流 / 抗癌剤 / 至適濃度 |
研究概要 |
(a)前年度までの臨床データの流体学的検討は口唇や舌の動脈のような側副路の少ないタイプであったが、今年度の臨床検討では左右から同名の栄養動脈があり生理的に側副路の発達した状態:喉頭、下咽頭に分布する動脈も検討した。1側ずつからの異時性注入からでは不十分になるかあるいは過剰になる分布上の問題点が、同時注入の場合は解消された。(b)分岐型血管樹モデルを自作した。これに粘度および粒子のサイズの異なる流体を流して試験を行った。圧流量の比例関係は予想に反して血液と同程度ではニュートン流体に近いデータが得られた。モーターや粒子など再度調整して確認の目的で再試験を予定している。(d)CGによる理論試験、基礎実験および生体内での検討。乱流作成の有用性の検討:注入した薬液が一方によるのを防ぐため、乱流を発生させて攪拌させた。しかし通常の範囲ではすぐに層流化し軸集中現象も発生し、部分的な改善に留まった。(c)動物モデルとして犬を用いた動注薬物動態学的分析は試薬の調整に問題があり労力をかけたが結果がまとまらなかった。他の動物モデルで検討中である。これまでの研究から、予定の薬剤濃度と与えるため、標的領域の分時流量を制御して、至適濃度となるように薬剤を調整して注入することが必要になるが、そのためには非ニュートン性の高い血流を排除して薬液で置換する形に持っていく(この方法はニュートン流体化を促進する)。それが部分的でしかなければ乱流作成を行うことが対策になることが示唆された。
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