• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

アジア諸字コーパスに基づく文字情報学の創成

研究課題

研究課題/領域番号 13CE2001
研究機関東京外国語大学

研究代表者

BHASKARARAO Peri  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (00272617)

研究分担者 峰岸 真琴  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (20190712)
高島 淳  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40202147)
町田 和彦  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (70134749)
豊島 正之  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 助教授 (10180192)
宮崎 恒二  東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 教授 (40174156)
キーワード字体コーパス / 字形データベース / 文字情報学 / 文字規範 / インド系文字 / 漢字文化圏 / アラビア系文字 / スクリプト
研究概要

平成14年度における研究の実績は以下の通りである。現在の進行状況および研究成果については、以下のウェブサイトを参照のこと。
http://www.gicas.jp/gates.html
1.研究者および一般社会人を対象として展覧会「アジア文字曼陀羅〜インド系文字の旅」を2002年6月28日から8月2日まで開催した。この展覧会は、インド系文字の起源と、その東南アジア大陸部、島嶼部への伝播および変容といった歴史的側面と、音節文字としてのインド系文字の構成原理について、展示を行ったものである。GICAS経費などにより本研究所が収集してきた展示物のほか、国立民族学博物館との共催により、同館の中西コレクションも出品された。展示の学術的内容とともに、「旅」をテーマとした展示方法の斬新さによっても注目を集め、一般全国紙だけでなく美術系の評論にも数多く取り上げられた。展示内容については以下を参照のこと。
http://www.aa.tufs.ac.jp/i-moji/
2.文字論・文字史に関する基礎的文献の収集を,昨年度に引き続いて行ったほか、チベット文字による北京版大蔵経のサンスクリット表記を含む部分、および敦煌出土チベット語文献の法律文書,および吐蕃期公文書,非仏教宗教文献、ベトナムの碑文・文書、クメール碑文、ラオスのラオ文字、タム文字碑文、ミャンマーのビルマ文字の碑文・墨文、エジプト・アラブ共和国シナイ半島南部の岩壁碑文、イラン、ウズベキスタンのペルシャ語写本について現地調査を行い、資料をデジタル化した。
3.・ISO/IEC(国際標準化機構)に登録された文字コード規格票の1バイト系・ISO2022系切替え関連規格票のデータベース化を終えた。
・キリシタン文献国字本に就て異体字を区別したデータベース化を完了し、これに基づいて、後期金属活字本に於ける「定訓」に基づく漢字整理の存在を論証して、論文として公刊した。
・敦煌学に関する画像付き目録として、(故)藤枝晃博士の敦煌学関連蔵書目録、石塚晴通教授の関連蔵書目録、藤枝・石塚共同蒐集に掛かる敦煌文献フィルム類目録を作成した。
・AA研所蔵浅井コレクション台湾原住民関係資料についてオンラインデータベースの作成と、インターネット上における公開を行った。
・中国各地に現存する「小児錦」文字文化の実態調査と資料収集・分析の結果を、町田他編『中国におけるアラビア文字文化の諸相』として出版した。
4.レバノン共和国において二言語併用被験者(アラビア語/フランス語)を対象として,アラビア文字書体によって喚起される審美的感情の内部的構造について,各種書体に対する自由反応と形容詞対尺度による評定反応実験を行った。
5.サンスクリットの「ヴァーヤヴィーヤ・サンヒター」をテキストとして入力し、ヒンディー語の古典「ラーマチャリットマーナス」および「パドマーワト」の電子テキスト(転写記号)をユニコード(utf-8)に変換し、デーヴァナーガリーフォントでの出力を可能とした。
・クメール語オープンタイプフォント実装のための基礎研究として、文字の構成素とその組み合わせ可能性についてカンボジア政府との共同研究を行い、今後の実装に必要な仕様を確定した。
・「アジア諸文字実装プロジェクト」(ASTI)では、Free Standard Groupと協力して、無償で公開されているブラウザであるMozilla(Linux版)にデーヴァナーガリー文字処理機能を実装した。これは、タイ文字についで2番目のインド系文字の実装となり、目に見える形での国際的な貢献となる。なお、windows版への実装もまもなく行われることになっている。同時に、デーヴァナーガリー文字のオープンタイプフォントを開発した。

  • 研究成果

    (23件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (23件)

  • [文献書誌] MINEGISHI, M., TAKASHIMA, J.: "Issues in Transliteration for Khmer and Thai Scripts"The Indo-European Conference on Multilingual Technologies (IEMCT). 161-175 (2002)

  • [文献書誌] SAWADA, H.: "Some properties of Indic scripts of mainland Southeast Asia-Exemplification by Burmese and Thai scripts-"The Indo-European Conference on Multilingual Technologies (IEMCT). 151-160 (2002)

  • [文献書誌] Peri BHASKARARAO: "English in Contemporary India"ABD (Asian/Pacific Book Development). Vol.33,No.2. 5-7 (2002)

  • [文献書誌] MINEGISHI, Makoto: "Morphological typology from Southeast Asian viewpoint"Papers from XIth SEALS Conference, (Arizona State Univ.). (in press). (2003)

  • [文献書誌] NAKAYAMA, Toshihide: "Linguistic Diversity and Its Implications for Grammatical Analysis : The Case of So-called 'Passive' in Nuuchahnulth"Languages of the North Pacific Rim, vol. 9. ELPR Publication Series. (in press). (2003)

  • [文献書誌] 峰岸 真琴: "翻訳評価の通言語的評価の試み"多言語機械翻訳システムの評価研究. 第一分冊. 42-52 (2002)

  • [文献書誌] 豊島 正之: "キリシタン文献の漢字整理について"国語と国文学. 79巻11号. 47-59 (2002)

  • [文献書誌] 永崎 研宣, 星 泉: "Web環境での多言語表示"ITUジャーナル(財団法人日本ITU協会). 26-29 (2002)

  • [文献書誌] 高島 淳: "古典学のための多言語文書処理システムの開発"『情報処理班論文集』文部科学省科学研究費補助金特定領域研究(A)118「古典学の再構築」(平成10年度〜平成14年度). (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] 峰岸 真琴, 高島 淳: "クメール語およびタイ語の飜字について"『情報処理班論文集』文部科学省科学研究費補助金特定領域研究(A)118「古典学の再構築」(平成10年度〜平成14年度). (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] 星 泉, 高島 淳: "チベット文字における結合文字の使用に関する調査"『情報処理班論文集』文部科学省科学研究費補助金特定領域研究(A)118「古典学の再構築」(平成10年度〜平成14年度). (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] 豊島 正之: "XMLの骨抜き利用法-アジア・アフリカ言語文化研究所データベースの例"『情報処理班論文集』文部科学省科学研究費補助金特定領域研究(A)118「古典学の再構築」(平成10年度〜平成14年度). (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] 三尾 裕子: "台湾漢民族"作為一種火山山脈模式的中国宗教"論"中国人類学的理論與発展. 197-207 (2002)

  • [文献書誌] 中見 立夫: "内外満学剳記"満族史研究. 第1号. 113-123 (2002)

  • [文献書誌] 峰岸 真琴: "形態類型論の形式モデル化"アジア・アフリカ言語文化研究. 64号. 101-128 (2002)

  • [文献書誌] 峰岸 真琴: "シンタグマから見た動詞"日本言語学会第124回大会予稿集. 16-23 (2002)

  • [文献書誌] 豊島 正之: "音韻を計る"上野善道編『音韻』朝倉日本語講座3. (印刷中). (2003)

  • [文献書誌] 町田 和彦: "人文科学の憂鬱-情報資源の共有と文字"学術月報. vol.55,no.11. 9-11 (2002)

  • [文献書誌] 星 泉: "現代チベット語動詞辞典 ラサ方言"東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所. 500 (2003)

  • [文献書誌] NARA, T., Peri BHASKARARAO: "Songs of the Toda : Text, Translation and Sound Files"ELPR Publication Series. 91 (2003)

  • [文献書誌] SUTJAJA, I.G.M., 塩原 朝子, 原 真由子: "バリ語文法・会話"東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所. 166 (2002)

  • [文献書誌] 町田 和彦, 黒岩高, 菅原純共編: "中国におけるアラビア文字文化の諸相"東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所. 185 (2003)

  • [文献書誌] 町田 和彦編: "多言語機械翻訳システムの評価研究"東京外国語大学・(財)国際情報化協力センター. 662+859+333+423 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi