研究課題/領域番号 |
13F02811
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研究機関 | 奈良先端科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
森 浩禎 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授
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研究分担者 |
STEVEN Bowden 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 外国人特別研究員
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キーワード | 大腸菌 / トランスポゾン / 2重変異株 / deep sequence / multiplex解析 / 遺伝的ネットワーク / 網羅的解析 / 2次元Tn解析 |
研究概要 |
バクテリアにおける細胞内ネットワーク解明への高効率網羅的2重欠失株解析法の確立を目的として、2種類のトランスポゾンを利用した、2次元ランダムトランスポゾン変異株作製による遺伝的ネットワーク解析法の研究開発を行った。アイデアはトランスポゾンの中に別種のトランスポゾンを組み込み、Tn in Tn断片の構築を行った。全体はTn5で、その中にMariner Tnを導入した。研究開始当初は、Mariner Tnの構築も行う必要があったが、共同研究先の先行研究によりすぐに利用が可能になり、本トランスポゾンを用いた方法も同時に開発を開始した。本年度は、Tnin TnのPCR増幅のための鋳型プラスミドの構築を行った。同一染色体の挿入変異であることを確認するためのバーコードは、鋳型プラスミドをPCR増幅する際のPrimer配列に導入する。2段階でトランスポゾンの転移を活性化するシステムを構築し、導入しているバーコード領域をシーケンサーで読み取ることによって、同一染色体における2重挿入変異であることを確認する。挿入による遺伝子破壊ライブラリーの構築方法の検討と、その挿入位置の同定を、次世代シーケンサーを用いた解析システムの構築を進める。現在、Fプラスミドをベースにした低コピープラスミド上に、組換えを用いて鋳型となるTn in Tn断片のクローンかを行っており、当初予定していた構造の作製を終えた。挿入破壊のランダムさ及び遺伝子破壊の効率の評価を次世代シーケンサーを用いて行い、実験条件の最適化をはかる段階に来ているが、現在は増幅断片の形質転換による最初のTn断片のターゲット細胞への導入効率の向上をはかっている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初、2稚類のTnの入手および改良から始める予定であったが、共同研究先の先行研究により、開始当初より利用が可能になったことで、スムーズな開始を行えた。プラスミド椛築においては、当初はTnmTI1システムの中の2次元目のTn断片を切り出す目的でloxP部位を導入し、Cre-loxの部位特異的組換えで挿入領城から切り出す柵造で榊築を開始した。Tn断片の挿入後、切り出されたTn断片にコードされるトランスポゼースの活性化で2次元目の娠移をはかる予定であったが、Cre組換え酵素の活性の制御が雌しく、最終的にCre組換え酵素およびトランスポゼースは、別のプラスミドから供給する方法の開発も行った。当初からの想定外のことも起ったが、うまく切り換えることができたと考えている。現時点で、最終段階のテストに近く入れると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
これまでの鋳型プラスミドおよびCre、Himer Tnとランスポゼース供給プラスミドの縦築は、ほぼ終了した。実際にバーコードを持たせたTn in Tn断片をPCRで調整し、大腸菌細胞に導入し、1次元目のランダム挿入変異の変異導入効率、ランダムさなどのテストを行う。そして、2次元目の転移の活性化を、Cre-Himerとランスポゼース供給プラスミドを接合により導入、2次元目の転移変異導入効率のテスト、バーコードによる同一染色体であることの確認等の検証を進める。機能解析による鶴のため、1次元目の変異を糖副責に関する遺伝子鱒入変鷲選択し、2次元目のテストを行うことで、既知のsynthetic lethal/sicknessの相互作用を持つものの確認を行うことで、系の検証を進める。
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