研究分担者 |
青木 繁夫 独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・修復技術部, 部長 (60088797)
大塚 英明 独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・修復技術部・伝統技術研究室, 協力調整官 (10102633)
川野邊 渉 独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・修復技術部・修復材料研究室, 室長 (00169749)
森井 順之 独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・修復技術部・応用技術研究室, 研究員 (30342942)
早川 典子 独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・修復技術部・修復材料研究室, 研究員 (20311160)
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研究概要 |
平成14年度研究計画に沿って次の通り研究活動を行なった。 1.トヨタコレクションの保存状態の調査 今年度は,トヨタコレクションの,からくり,時計,銃大砲,測量器具,天文,灯火具,遠望鏡を対象に43点の調査を行なった。調査はまず,法量の計測・4×5写真のカラー撮影・保存状態の良否を中心に調査し,保管番号・素材の明記・保存状態などを記載した調査台帳を作成した。4×5カラー写真撮影ではX線透過撮影と同様な角度および部分を撮影した。新たな写真測量法による実測図作成を目的とした,高解像度デジタルカメラによる写真撮影も開始した。 2.海外および国内調査 平成14年8月18日から23日にかけてフランス・ドイツを訪れて輸出された工芸品や産業遺産に関する調査研究を行なった。パリのギメ美術館では,展示されている南蛮様式の洋櫃やマリーアントワネットコレクションなど江戸時代初期に製作された作品を調査した。工芸博物館ではメートル原器をはじめ測量器具,科学実験道具など17〜18世紀にかけて製作された産業遺産に関する調査を行ない,トヨタコレクションとの比較検討に役立った。ミュンヘンではドイツミュージアム本館および分館を訪れた。本館では鉄道部門の調査および修復スタジオを調査し,文化財における複合素材の保存方法等に関して意見交換を行なった。分館では航空部門の視察を行い,とくに金属素材の保存方法と修復に関して日本の現状と比較検討ができた。 国内調査では,江戸時代の石造構築物を対象に北九州地方に残された西洋式アーチ橋の調査を行なった。これらの技術は江戸時代にオランダから受容したヨーロッパ式の建造物構築法で平成15年度も継続して調査研究を行なう予定である。 3.トヨタコレクションに関する研究会 平成14年5月に開催した「江戸のモノつくり」国際シンポジウムに参加し,6月に開催した高知シンポジウム「土佐藩の科学技術から学ぶ」では近世土佐藩の漆器製作と近世輸出漆器の特徴について講演した。 4.トヨタコレクションデータのデジタル化 今年度作成した,トヨタコレクションに関する写真や情報などをデジタル化し,CDROMを作成した。
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