研究課題/領域番号 |
14023243
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研究機関 | 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所 |
研究代表者 |
加藤 寛 独立行政法人文化財研究所東京文化財研究所, 修復技術部・伝統技術研究室, 室長 (70161114)
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研究分担者 |
早川 典子 独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・修復技術部・修復材料研究室, 研究員 (20311160)
青木 繁夫 独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・修復技術部, 部長 (60088797)
川野辺 渉 独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・修復技術部・修復材料研究室, 室長 (00169749)
森井 順之 独立行政法人文化財研究所, 東京文化財研究所・修復技術部・応用技術研究室, 研究員 (30342942)
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キーワード | 美術史 / 国際協力 / 複合材料・物性 / 工芸史 / 産業史 |
研究概要 |
平成15年度研究計画に沿って次の通りの研究活動を行った。 1.トヨタコレクションの保存状態の調査 平成14年度に引き続きトヨタコレクションの調査を継続し、4×5サイズの写真撮影およびX線透過撮影を行い、表面ならびに内部の保存状態を確認した。 2.海外および国内調査 平成15年6月にロンドンにある科学博物館を訪ね、18〜19世紀の産業遺産の展示と保存方法について保管担当者と協議した。科学博物館3階にある産業遺産はカメラ・測量器・天体望遠鏡・顕微鏡などトヨタコレクションと類似する分野の作品展示が見られた。ほとんどの作品がガラス・金属・鮫皮などの複合材料で成り立つ作品である。科学博物館ではこれらの複合素材の保存方法をコンサベーションとプリザベーションとの2つのことなる方法で保存している。コンサベーションでは、天体望遠鏡や測量器具などをエアータイトの展示ケース内に展示し、内部の湿度を一定に保つためのセンサーをケースにつけて永久展示保存をしている。プリザベーションでは、19世紀に作られた乾電池やモーターなど現在も内部の酸が吹き出し続ける状態で保存したり、あるいは観覧者がケースの前に立つとモーターが動き出す装置を設けて保存している。これらの同体保存をプリザベーションと呼んでいる。また、8月13〜20日にはロンドンとミラノのダビンチ博物館を訪れイタリアにおける19世紀の産業遺産の調査も行った。 3.トヨタコレクションに関する研究会の開催 8月11〜12日、11月25日の2回にわたり古写真・時計・からくり・鉄砲などを対象に調査研究会を開催した。また、からくり噴水器や櫓時計の復元に関する調査会も随時行った。 4.報告書の刊行 平成16年3月に2年商の調査研究をもとに報告書「文化財における複合素材の保存修復のための材料技法の開発に関する調査研究」を刊行した。
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