研究課題
特定領域研究「種形成の分子機構」総括班は平成18年2月3日に東京工業大学すずかけ台キャンパスにて第4回班会議を開催した。評価委員・計画研究代表者・分担者および各研究室に所属する大学院生、合計で約40名の参加があり以下のような研究報告があった。A01代表者岡田典弘(東工大教授)では、本年度、2、3度目のアフリカ・ビクトリア湖の現地調査を行った。また、視覚遺伝子LWSとその周辺領域の配列をシクリッド種間で比較し、集団遺伝学的解析を行った。その結果、集団が分かれる際にLWSに分断選択圧が働いていたことが明らかとなった。A02代表者堀道雄(京大教授)らは、同所的種分化の可能性がある種群について分子系統解析を行い、魚食魚、鱗食魚、プランクトン食魚について、信頼できる系統樹を得た。計画研究A03代表者・小熊譲(筑波大教授)は単為生殖を利用して確立した種間モザイクゲノム118系統について配偶行動観察を行なった。その結果、第2染色体左腕と第3染色体右腕に強い効果のある領域が検出された。A04代表者・石田直理雄(産総研グループ長)は生殖前隔離分子機構としてショウジョウバエのper^0変異体に正常Perを遺伝子導入したトランスジェニックバエを用い、交尾リズム中枢は行動リズムの中枢と別の部位である事を同定した。A05代表者・長谷部光泰(基生研教授)らは、花粉管特異的発現をする受容体カイネースの2重突然変異体の解析を行った。2組の遺伝子で、遺伝子破壊体の花粉が雌しべで異常な伸長を示した。A06代表者荻原保成(京都府大教授)らはパンコムギミトコンドリアDNAの全塩基配列を決定し、イネ・トウモロコシと比較し、イネ科ミトコンドリアゲノムの複雑性が実証された。A07代表者舘田英典(九州大教授)らは、ビクトリア湖シクリッドの5種について淘汰に関して中立と考えられるマイクロサテライト及びミトコンドリア配列を使って集団の分化の程度を推定した。
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