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2003 年度 実績報告書

民主社会実現手段としてのインクルーシブ教育の社会的背景と理論的基盤に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 14201026
研究機関筑波大学

研究代表者

中村 満紀男  筑波大学, 心身障害学系, 教授 (80000280)

研究分担者 鳥山 由子  筑波大学, 心身障害学系, 教授 (00302365)
窪田 眞二  筑波大学, 教育学系, 教授 (80170033)
二文字 理明  大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00030461)
石田 祥代  東京成徳大学, 人文学部, 講師 (30337852)
河合 康  上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90224724)
キーワードインクルーシブ教育 / インクルージョン / 特別なニーズ教育 / インテグレーション / M.C.ウィル / 特殊教育批判 / 通常教育主導 / 教育改革
研究概要

アメリカ合衆国、英国、北欧のインクルーシブ教育について、本研究で設定している観点であるインクルージョンの社会的背景と理論的基盤という観点に基づいて、本年度は、アメリカでは通常教育主導(REI)の提唱者、M.C.ウィル、英国では特別な教育的ニーズの司法判断による実体概念、北欧ではサポート・システムについて、上記2点から研究を進めた(別記の研究成果を参照)。イギリスでは現地調査・文献等の検討も進行させた。
また、インクルーシブ教育の全体的枠組みの捉え方について、新たな次元を開拓しつつある。これまでインクルーシブ教育は、いわば障害カテゴリー・フリーから構想され、提唱されてきたがゆえに、障害カテゴリーからインクルーシブ教育を検討することは回避される傾向があったように思われる。しかしインクルーシブ教育の社会的背景と理論的基盤という本研究の課題を解明するには、作業過程としてはまったく逆であるべきであって、いかなる障害カテゴリーを念頭にしてインクルージョンの主張や理念が展開され、システム論が提唱されているのかを分析することが不可欠である。端的にいえば、これまでのインクルーシブ教育論の基底にあるのは、通常の教育から排除あるいは冷遇されてきた広義の発達障害であった。それゆえ、視覚障害・聴覚障害等の伝統的な障害児教育分野は分離的教育の典型という面のみが強調されて、インクルーシブ教育のカウンターパートに位置づけられてきた。しかしたとえば視覚障害教育については、分離形態が有効な教育方法であった教科基盤的観点から評価されてこなかったのである。またそれぞれの教育分野が最終的に何を目指しているのか、それぞれがもっている独自で部分的な教育の本質は何かを究明したうえで、障害全体を包括した全体的な本質を究明することが必要である。この課題は次年度に本格的に着手する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 石田祥代: "スウェーデンにおけるインテグレーションサポートシステムについて"文教施設. 11. 35-38 (2003)

  • [文献書誌] 河合康: "イギリスにおける特別な教育的ニーズをめぐるオンブズマン提訴事例の特徴"上越教育大学研究紀要. 22(2). 539-550 (2003)

  • [文献書誌] 中村満紀男: "M.C.ウィルの特殊教育批判と教育改革構想としての通常教育主導"心身障害学研究. 28. 1-14 (2004)

  • [文献書誌] 中村満紀男, 荒川智: "障害児教育の歴史"明石書店. 296 (2003)

  • [文献書誌] 中村満紀男: "優生学と障害者"明石書店. 737 (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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